家族経営
1997年11月26日(水)
再建された「T木ハウス」の中にわたしはいた。遠くの方で、T木町か、と思った。T木ハウスは家族的雰囲気あふれる連れこみ宿だ。そこで家族は暮らしている。
男色のお客がいたとき建物が崩壊したので、父親は考えてしまっていた、悪徳とは何か?──考えて、「今度娘と試してみます」と言ったので、娘は震え上がり、兄の連れ合い、義理のお姉さんに助けを求めた。
実の娘は真っ青、義理の娘は余裕の笑みさえ見せて、「お義父さん」とやんわり義父を諌めた。
母親は昔風のよく働く人のようで、疲れていた。憂鬱な顔で深い溜め息をつき、たばこに火をつけた。