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ゆるされている
1997年7月17日(木)
口の中、顎、その周辺の筋肉が強張ってきた。半分目が覚めてきていたかも。顎が勝手に動いて、舌が丸まって、首も動いてしまう。薬をたくさんのんだときの後遺症、あれがいまごろになってまた来たんだと思った。
苦しくないのだろうか、と思った。
「苦しい」と、もつれる舌で途切れ途切れに、彼が言った。
わたしがあのとき、あんなことしたから、わたしのせいだ、と痛く感じた。
「きみのせいではない。きみはわるくない」
動きにくそうな手で彼はわたしの頭をなぜた。
わっ!と泣いた。
彼がわたしを恨んでいないことも、自分の身を嘆いていないこともわかった。
こんなふうにゆるされ、受け入れられたことははじめてだった。
おんおん泣いた。
ありがとう。