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胎内テレビ?
1997年12月8日(月)
白の厚い壁があって、下のほうに20センチ四方の硬質な金属板─細かな線が水平に走っていた─埋まっていて、それはテレビだった。画面は10センチ角。画面の下に大きな円のボタンが二つ付いていた。
屈んで、左のボタンを押してみた。ざあーというような、ごおーというような音がした。
仕切られた右の方から、かすかに人の声が聞こえて、心配になった。誰にも許可なくテレビに触っていたから。
右のボタンを押した。映像が出た。抽象画だった。訴えてくるのだが、わけがわからなかった。
右の方にいる人が文句を言いにきやしないかと不安で、心行くまで見ていられなかった。
方法は覚えてないけどテレビを消した。抽象画をくっきり映し出していた画面は元通り灰色になって、音も消えた。