右に赤紫

1998年1月10日(土)
午後非常に眠たくなった。
三つの玄関。三組の妻と夫。三つの階段。階段をのぼると見慣れた戸。
これを開けると「わたし」がいるのだろう。少し恐い。
ばっと開いた。
いない。

二段ベッドの上の段に赤紫─恐怖─の布団を被っている大玉がいた。
これ─部分─が、わたし─総体─のようにふるまってきたのか!
やっと見つけた。観念しなさい!
大玉を、わたしの拳で打った。人間の背中か?とあやしむほど固かった。
これはわたしなのだ。布団を剥いで確かめよう。
戸を開けるときよりも更に少し恐さが増しているが、剥ぐ。ここでやめては意味がない。
剥いだ。
何かが、猛烈な勢いでわたしの中に入った。右の脳がふくらむのがわかった。
わー!!っと声が出た。実際には声になっていなかったかもしれない。耳には聞こえなかったから。
わたしの右側に、確かに入った。戻った、というべきか。

左は?

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