「今・ここ」
夢の中にシリーズものがある。【命にかかわる虐待編】と呼ぶ。
恐いゆめ、気味の悪い夢にもいろいろある。すぐ浮かぶのは、ほぼ見なくなったが「略奪者」の夢。
「略奪者」の夢は本当に恐ろしかったが、『狼と駈ける女たち』が教えてくれた略奪者とわかっていたので、だんだん恐さは薄れて、内面への注意を促してくれるお知らせになっていった。
【命にかかわる虐待編】シリーズはこの「略奪者」の夢とは異質で、後味の悪さが尾を引いた。テーマは一つ。表現はさまざま。
そのときの身体感覚、そのときの感情、そのときの思考はバラバラにされてあちこちに隠された。断片がまとまって夢になることはなく、ドラマや映画を見ている立場だったり、自分が体験していたり、知り合いの体験になっていたり、知らない子の体験になっていたり、実に同じものはなかった。どの夢も消耗したが、自分が体験しているのが、当たり前だけど比較にならない苦しさで、夢の中で覚醒して、夢を止めた。頭がおかしくなると思って必死に止めた。
そんなシリーズもほとんど見なくなってゆき、夢の方でも省エネ志向らしくて、もうあなたこれでわかりますもんねって、提示の仕方を簡素化していったから、たまーに出てきても、動揺することもなくなった。
数日前、目が覚める間際に【命にかかわる虐待編】が総集編のようにサーッと流れた。速い速い。で、
そういうことがありました。はい、それだけ。
って。プツンって、テレビ消えたよ、みたいになって目が覚めた。
よくわからないけど、とにかく終わったんだな、と思った。
まだ数日しか経ってないから様子見てる。