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指一本動かなくなるまでやめるわけにはいかないと打ちつづけた。

1996年5月10日(金)
「看護婦スタイルの男」と「なんの変哲もない男」がわたしに襲いかかってきた。
侵害、蹂躙に応戦する武器がわたしの手の中にはあった。
径が20センチくらいで適当な厚みと重みのあるフライパン。
「なんの変哲もない男」の頭を殴った。簡単にやっつけることができた。
「看護婦のふりをした男」はなかなかしぶとくて、フライパンを何度も降り下ろす間に気持ちが怯んでしまったが、指一本動かなくなるまでやめるわけにはいかないと打ちつづけた。
七、八回も殴ったろうか、ようやくにして「看護婦のふりをした男」は動かなくなった。
フライパンの音が快くよみがえった。

*この二人は母と父だな。

*若いとき喧嘩に明け暮れていたという人が、「指一本動かなくなるまでやめちゃいけない」と言った。かつて夢で体験していたわたしは、心からうなずいた。


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