キッチンの小さな突き出し窓から竹藪がみえる。もう何処にも根を伸ばして行くことのできなそうな狭い敷地にびっしりと生える竹。

春になるとそんな窮屈そうに生える竹の恩恵を受ける。
日本ではタケノコの料理は、ごく普通の事だ。それでは他の国では如何なのだろうか?

昔…夫の実家に入った(本当は嫌だった、夫は自分が入りたいばかりに私に何の断りもなくきめた。夫のことだから私に相談してからと言ったに違いない、しかし私が伝えられたのは、次男の自分が入れる日が来るなんて信じられない、と。いかに長男じゃなかったことで親に目をかけてもらえなかったか、と言う事をとうとうと聴かされた事だった。)ばかりの頃
結構涼しげな竹林だった。

地続きは義母が野菜を作る畑だった。しかし実際の地目は山林だった。

その畑は義母がいなくなると同時に主人を失った雑草畑となり柔らかかった地面は竹が勢力を伸ばしてくるのに最適であった。

今では細い竹が隙間なくびっしりと生えている。
元からの竹林はといえば根をがんじがらめにはりめぐらせ新しい筍が出る余地も無さそうになってる。

しかしその張り巡らされた隙をぬって筍は生えてくる。今年もご相伴に預かった。自然の恵みはありがたい。先ず農薬の心配をしなくて済む。買い物に行かなくて済む。同じ料理が続いても文句も言われない。毎年、生きてる限り恩恵に預かりたい。

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