#30 マヒしている事も気づけない
それ、おかしいよ
友人から、Sと生活して、感覚がマヒしていることがあると言われた。
先ず、Sが無免許運転をしていることについて。
私と結婚する少し前から、Sは飲酒運転で捕まり、運転免許取り消しになっていた。
私が単身生活時、私は寂しさからSに対して試し行動をしていた。
それで心配したSが、飲酒運転で私の住むアパートに向かっていた途中で捕まったという経緯らしい。
口論になる度、免許取消しになったのは、私のせいだと言うS。
私は当時Sの自宅から徒歩圏内に住んでいた。
それも、500mもない距離。
歩けるよね?!
試し行動をしたとはいえ、運転すると判断したのは貴方だよね?!
そう言っても原因は私だと言うS。
過去にも免許取消しの経験が数回あるSは、無免許運転でも日中なら大丈夫だと言い、車の運転を止めなかった。
免許取消しから2年が経過し、いざ運転免許が取れる状態になっても、1度しか試験を受けなかった。
その後もSは無免許運転を続けた。
私は黙認していた。
私に非があるという感覚が残っていた。
一緒に出掛ける時はSに運転させなかったが、黙認している自分にもモヤモヤしていた。
運転免許証が更新年月になると会社に提出しなければならないが、それも偽造していた。
業務で運転する事はないが、車で通勤出来なくなるからという理由だった。
慣れていたから、過去にもやっていたんだと容易に想像できた。
呆れつつ、私はそれも黙認した。
その他、会社の役職について、Sはこうあるべきという考えがある。
それはSの考えであって、皆が賛成しているとは限らない。
自論を事あるごとに述べ、役職の言動がおかしいと言う。
「今の役職はアホしかいない」
「皆保守的で、部下を守っていない。誰も改革しない。この会社は終わっている。」
過去、Sも役職についた事があったらしい。
役職の立場が大変だった事から、役職を降りたと聞いた。
ならば、今の役職の状況も理解出来ないのだろうか。
会社で気に入らない事がある度に、私に不満を述べる。
自分の事は棚に上げて。
聞いている私は不快だった。
しかし、Sの考えに反論したら、話は延々と続く。
話を早く終わってほしくて、話を合わせて聴くが、私がいかにも賛同しているように感じられるため、Sは自論を確固たるものにしていた。
おかしいことって何か分からなかった。
ある日、友人に上記を話したら、冒頭の一言だった。
私の感覚がマヒしていると指摘した。
Sの言動はおかしいし、私がDVサイクルにハマっている、と。
私は、自責の念をそれほど感じていないつもりだった。
だから、DVっぽいなと感じることはあっても、私はSに反論できるし、客観的に判断出来ていると思っていた。
おかしいと思う所や不快に感じる事など、それなりに認識していた。
黙認したり、相手の言動を否定しない点が問題なのも理解していた。
但し、これが常態化している環境は双方にとって良くないこと、という認識は薄かった。
友人はそこを指摘したのだと思う。
嫌だ、不快と思った事を我慢し続けている私を心配してくれる友人。
客観的に見てもらった結果は正しいと思う。