土日休める仕事に就こうと決心したあの頃
大学生時代、教育学部ではなかったが教員免許の取得を目指していた。通常の授業に加えて教職の授業が山ほどあった。1年に取得できる単位は48単位までと決められていたから、1年生から計画的なスケジュールを組み、着実に単位を取る必要があった。落単したら即終了。今思えばなかなか厳しい綱渡りをしていたようである。
このように書くと、まるで1年に48単位という制約の中で教員免許が取得できるように見えるが、実際はそうではない。集中講義は例外だった。だから、月から金までびっちり授業を受けて、土日も集中講義を受け、大学特有の、なんでもできそうな2か月という長い長期休暇にもとびとびに集中講義が設定されていた。後者はまだいい。問題は前者だ。私は2か月間”週7日”大学で講義を受けたことがある。
それは大学3年生の前期だった。教員も土日返上だったのだから大変だったろう、と今は思う。しかし、それ以上にレポートの多い授業が重なっていたこと、苦手な分野の実験が必修で四苦八苦していたこと、ゼミ配属された直後で予習に追われていたこと等々…自分のことで精いっぱいというのはまさしくあの頃の自分だった。そこに土日の集中講義が決まった。本当は夏休みに5日で終わるはずの授業が、諸々の関係で動いたらしい。本当に大変だった。リセットする時間がないから、常に走り続けているような感覚で、気づけば1週間が終わってレポートが返却されていた…みたいな。早く終わってほしい。授業に対してではない。この日程がつらすぎるからどうか…といった次第だった。その2か月を乗り越えた前期最終日、私が書いた感想を今でも覚えている。
「将来は確実に土日休める仕事に就こうと心に決めました」
さて、それから3年。私はまだ学生をしている。大学生から大学院生へと若干の変化はありながら、ひたすら研究者のたまご的な生活をしている。そして、今の土日はどうだろう。答えはわかりきっている。この2か月、土日はない。それでも、あの頃のようなつらさはない。走り続けている感覚はあるけれど、たまに歩けている気がする。
今年の夏はあまりにもオーバーワークだ。初めてのことばかりで目が回る。来年の3月まで休みは…盆と正月くらいだろうか(この期間も休んでいいんだ?!と思ったくらいなので私は私の処理能力を信頼していない)。あの頃の自分に言うとしたら、そのささやかな願いさえ叶わないけれど、君のおかげで今は少し余裕があるよ、という謝罪と感謝だろう。
昨晩冷感シートに変えたからか、なんとなく眠りの質が上がって体が軽い気がする月曜日の午前中。また走り出す。今日は全速力で走らないといけない日だ。