においもねばりもない納豆!? 味とにおいを分析&比較しました。
納豆のにおいは好きですか?
好きと答える方は少ないと思います。むしろ苦手という方も多いのではないでしょうか。
においがなければ…という方に朗報です! 2021年5月に株式会社Mizkanから「美納豆のデリ」(ナチュラルローソン限定)という、納豆特有のにおいが無い商品が登場しました!
使用している納豆は、新たに発見した納豆菌を用いて独自の製法で発酵させているとのこと。
今回は「納豆」の部分に注目して、他の一般的な納豆とともに味とにおいを分析しました。
…その前に、納豆について調べてみました! 納豆の知識を付けて、ご家族、お友達に自慢しちゃいましょう!
納豆 豆知識
1.なぜ臭いの?
においの主成分に、アンモニアが含まれているからです。
アンモニアは、発酵の過程で納豆菌が大豆のたんぱく質を分解したあとに作られます。製造後も日がたつにつれて少しずつ発酵が進むので、においは徐々に強くなります。
2.なぜ粘るの?
納豆の粘りは、納豆菌が大豆のたんぱく質を分解してできたグルタミン酸と、糖の一種であるフラクタンという物質からできています。
フラクタンという物質には味はありませんが、ネバネバを安定させる役目をもっています。納豆のネバネバはグルタミン酸という物質がバネのようにおりたたまれてつながっており、このおりたたみ構造が粘りのもとといわれています。
3.なぜ混ぜるの?
納豆を混ぜていくと、豆の周囲についた粘り成分が集まり、空気を含んで、舌触りがまろやかに変化していきます。美味しさの変化はこの舌触りの変化による部分が大きいようです。
混ぜると粘り、まろやかに変化する納豆。その粘りと独特のにおいが無いという「美納豆のデリ」は、果たしてどう違うのか? 分析結果では、はっきりと違いが表れました!
味の分析
測定した6商品の平均を基準(ゼロ)とし、うま味と苦味・素材感のバランスをグラフに示しました。
ミツカン「美納豆のデリ」は、他の納豆と比べてうま味・素材感ともに控えめであっさりとした味わいであることがわかりました。逆に、同じミツカンの商品である「秘伝金印くめ納豆」はうま味と素材感の強いしっかりした味わいと考えられます。
においの強さと質の分析
においの分析では、まずにおいの強さを表す臭気指数相当値を示しました。
タカノフーズ「おかめ極小粒」、あづま食品「おいしい極小粒」はどちらも値が40を超えていて、強いにおいを呈すると考えられます。
一方、「美納豆のデリ」は今回測定したサンプルの中で最もにおいが弱いという結果となりました。
次に、“においの質”の傾向が分かる類似度をグラフにしました。
ミツカン「美納豆のデリ」は、他の納豆とにおいの質が大きく異なっていることがグラフからわかります。
他のサンプルに注目すると、あづま食品「おいしい極小粒」、タカノフーズ「おかめ極小粒」、ミツカン「くめ納豆北海道小粒」と「金のつぶとろっ豆」はにおいの質が似ていますが、ミツカン「秘伝金印くめ納豆」はそれらと異なるにおいの質だと推測されます。
まとめ
「美納豆のデリ」に使用されている納豆は、ニュースリリースの文言通り、においが控えめで他の納豆とは異なるにおいの質となっていることがわかりました。
においやねばりの少ない納豆が新たに登場したことで、これまでのイメージにとらわれない食べ方や食べるシーンなど、納豆を楽しめる幅が広がっていくのではないでしょうか。