【365日のわたしたち。】 2022年4月7日(木)
明日、金曜日は、推しのアイドルの新曲MVがYouTubeで公開される。
今日はまだ木曜日だけど、今からもうワクワクして、心が軽く感じる。
推しと出会ったのは3年ほど前。
友人に「オススメだよ」といって紹介されたそのアイドルグループに、私は彼女以上にハマってしまった。
韓流ってなんだよ...とか少し前の私は鼻で笑っていたけれど、今、誰かに同じように笑われたとしたら、
「人の好きなものを馬鹿にすんじゃねぇ!」
と食ってかかってしまうだろう。
歌や音楽性が気に入ったのはもちろん、グループメンバーそれぞれの個性やメンバー同士の仲の良さ、人間性に惹かれたことで、私はここまで沼ってしまった。
紹介された2ヶ月後にはファンクラブ会員となり、コンサートチケットの応募には命をかけているし、YouTubeチャンネルは欠かさず、かつできる限りリアルタイムで見るように心がけている。
あぁ、初めて行ったコンサートの、メンバーのあの神々しさが忘れられない...。
同じ人間とは思えないほどの輝きだったな...。
と、私の推しへの熱い思いはここまでとして、話を戻すと、明日は推しの新曲公開日なのである。
これはいつも以上にリアルタイムで鑑賞して、友達と感想を話し合わなくてはいけない。
そういうことで、今日の私は、明日の仕事も前倒ししてやるくらいの気概で仕事に臨んでいる。
以前の私は、仕事が本当に嫌だった。
決して面白いとは思えない仕事を、上司や先輩にぐちぐち言われながらこなしていく。
こんな生活があと何十年も続くのか、と毎日絶望していた。
それが、推しと出会ってから変わった。
推しのグッズを買うために、推しのコンサートに行くために、ひいては推しのYouTube動画を見るための高速かつ安定したインターネット回線を繋ぐために、
それらを全て叶えるためには、仕事が必要なのだ。
そう考えると、私の中に仕事の価値というものが見出せるようになった。
「最近、仕事への姿勢が変わったよな。前より前向きに取り組んでて偉いよ。」
この前の評価面談で、上司は私をそう評価した。
別に仕事が楽しくてやっているわけじゃなけれど、自分のことを褒められるのは悪くなかった。
推しに出会って私の生活は、人生は変わった。
友達でもないし、家族でもないし、恋人でもない、”推し”という存在。
応援し、励まされる存在。
いつか私が、そんなことはないかもしれないけれど、情熱大陸に出演するようなことがあったとしたら、こんなやりとりをしたい。
「あなたにとって、”推し”とはなんですか?」
「そうですねぇ...。私が生きる意味であり、生きる活力の源ですね。」
頭の中では葉加瀬太郎のエトピリカを流しながら、私の指はパソコンのキーボードの上を踊り続けるのであった。