札幌中央最強戦1回戦(▲三間vs△75歩早仕掛けの研究)
本戦枠32名で優勝賞金10万円を争う大会。札幌予選でなんとか代表確保できたため、数年ぶりの本戦出場でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1735047054-tAdOhqsVNW8JrvlMRyPY2H0e.png)
と言われていたのだが…
対三間飛車に「▲35歩早仕掛け」はいかがでしょうか?
(本局は居飛車が後手番のため△75歩。)
今期指す順でも採用している得意形です。(上記リンク)
【第1図】の仕掛けで、昔の定跡では△42金直が必要でしたが、省く手順を発見しました。
デメリットは△41金型の玉頭が薄いことですが、
▲36歩~▲47金~▲37桂などの高美濃に手厚く組まれることが手数的に絶対にないので勝率が高いです。
【第1図】の△75歩に▲同歩は以下
△64銀 ▲74歩
△86歩 ▲同歩
△75銀 ▲65歩
△66銀 【参考1図】で居飛車よし。
このハマり図面も結構遭遇します。
![](https://assets.st-note.com/img/1735047591-xchHz13Ai5JQDWnS2ZYULmfp.png)
この図面もかなり稼がせてもらっている。
【第1図】以下▲67銀で【第2図】。△75歩を取るのではなく銀を上がって捌く準備。
![](https://assets.st-note.com/img/1735129668-hqxknuUb9gsByMO47SaNvGl0.png)
【第2図】以下
△76歩
▲同銀 △72飛
▲67銀 △73銀
▲95角 【第3図】
![](https://assets.st-note.com/img/1735129843-lLMoSNvWF0Aw4ir2Zu65RsT7.png)
この辺り、相手の方は小刻みに時間を使いながらも定跡通りに進めており、定跡を思い出しているというよりも自力で指している感じを受けました。それで定跡通りだから恐ろしいです。
【第3図】以下△64歩▲75飛△94歩【第4図】。
![](https://assets.st-note.com/img/1735130362-OfPSQh6DG8dIo0aNEmC7qgyp.png)
△94歩で角切りを催促する
【第4図】以下▲73角成△同飛▲74歩【第5図】。
![](https://assets.st-note.com/img/1735130596-GqhExi564Q0YnRKpyBlNaFs3.png)
【第5図】以下△83飛▲72銀【第6図】。
![](https://assets.st-note.com/img/1735130713-MKfqGHhNbOLAPRxrtC2Dg6sX.png)
ここが問題の局面で、従来の定跡だと【第6図】以下
△82飛
▲73歩成△84角
▲81銀成△同飛
▲74飛△65歩
▲63と 【参考2図】で振り飛車良し。
このとき△42金直が入ってないので▲72飛成が王手飛車になってしまう。
![](https://assets.st-note.com/img/1735130969-MqKow4hOVFjtkDHsSXpLTBu1.png)
仕掛けは成立しないのが通説だった
![](https://assets.st-note.com/img/1735131353-tarnZU2iqu64jcIdmKARlSNT.png)
【第6図】で△84角と打つのが準備の一手。この1手自体はソフト検討で出たものですが、この先の変化では先述の王手飛車が出てこないことに気づきました。
つまり△42金直は省略できるということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1735131402-q71KdJ2ApmHkzOnFGIU8TLYQ.png)
そもそも△42金直には違和感があり、できれば指したくない手だと思っていました。その違和感がなければこの工夫には気づけないと思います。
△42金直を省略できれば、居飛車が先手の場合は振り飛車の△64歩も入らないことになるので、何局か指した感じだとさらに居飛車の勝率が高いです。
【第7図】以下
▲85飛 △82飛
▲81銀成 △同飛
▲76桂 △83銀 【第8図】
![](https://assets.st-note.com/img/1735131938-waJsWx2cniVtXUyguSdChZlP.png)
【第8図】で結局形勢は難しいです。(申し訳ないのですが…。)
ただ完全ノータイムでここまで進めて、実戦は時間の貯金が大きく勝利することができました。
この後の変化も面白い変化が多いのですが、長くなるのでそろそろ終わりにしたいと思います。
肝心の大会はこの後2回戦でいい手を逃して敗退。
また頑張ります。