夜も更けるとなぜだかラフマニノフが聞きたくなる
Здравствуйте!
皆様お元気でしょうか?
わたくしは普通寄りの情緒が安定してない何かです。(つまり普通)
実は色々あって高校生の時から英語を放棄してロシア語を嗜んでおりますが…(一向に基礎から上達しないけどね)その影響でクラシックもロシアもの大好き!になりました。
ロシアの文化・芸術はとっても面白い。
私はいつも「不思議な世界へ連れて行ってくれるところが好き」って答えてます。
でも最近は戦争とかのこともあり「ロシア=怖い国」というイメージが独り歩きしているのが非常に残念なのですが、本当にロマンにあふれた素敵な国なんですよ…(文化や芸術まであーだこーだ言われるのはちょっとな…って思う)
寝る前のお供はだいたいラフマニノフ
ラフマニノフをご存知だろうか。
私の好きな作曲家。
セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ(Серге́й Васи́льевич Рахма́нинов)
1873年~1943年
ロシア帝国出身のピアニスト、作曲家、指揮者
ラフマニノフといえば「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」
なんと言っても美しい、泣ける😭
病んでる時に聞くともっと泣けるんだよな…
映画では『逢びき』『旅愁』『七年目の浮気』などで使用されたことでも知られているこの曲。
ちなみに私はのだめカンタービレでラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を聞いてハマった。
もう小学二年生から嗜んでたが…(今思うと大人びた小学生)
クラシック好きなら「ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30」も外せない作品でしょう。(うちの母は朝からこればかり聞いてた)
私もこれ好き。
清水和音さんがソリストを務めた演奏会は本当に「行ってよかった!」と心から思えるほど素晴らしかったのは今でも覚えてる。
そして冒頭のフレーズを何回真似したのでしょうか……(聞いてみると真似したくなるヨ)
ちなみにこの曲は激ムズ曲として有名。
テクニックはもちろん、音楽的要求面もかなり難しい。そのためピアノ協奏曲では最難関とも言われる。でも聞くとハマっちゃう😍
ラフマニノフは作曲家でもありピアニストでもあったが、とにかく手がデカかった。
だからラフマニノフのピアノ作品は基本女性が弾くのは至難の業とも言われている。
(のだめは普通にコンチェルト弾いてたけどな…)
手が大きいこともあり、ラフマニノフのピアノ独奏作品はどれも難曲ばかり。
ちなみに2020年までにこの難曲ばかりの独奏作品を全ての録音を成功させた猛者は7名いる。
マイケル・ポンティ、ルース・ラレード、ウラディミール・アシュケナージ、ハワード・シェリー、イディル・ビレット、セルジオ・フィオレンティーノ、アルトゥール・ピサロ
ちなみにこの中には私の推しピアニストのアシュケナージも入っている!
(ラフマニノフはアシュケナージの演奏がいちばんしっくり来る。)
でも夜な夜な聞きたくなるのはやっぱり"アレ"なのだ
ラフマニノフはとにかくピアノ作品が美しくてハマるけど私はそんな中でオススメしたいのが「パガニーニの主題による狂詩曲 作品43」
ラフマニノフが1934年に作曲したこの曲は25部から成る変奏曲形式のピアノを独奏楽器とする協奏的狂詩曲。
この曲のテーマ(主題)として用いられているのが、ニコロ・パガニーニの「24のカプリース」
このカッコイイメロディ、クラシックを知らない人でも聞いた事あるかと思います。
変奏なのでこの主題が様々な形に変形して現れるのが特徴。
パガニーニの24のカプリースを主題とした曲はブラームスも作曲しています。それだけ後世の作曲家に影響を与えてるというところも凄い…
この曲の変奏は全部で「25」ありますが、個人的にイチオシは第7変奏~第10変奏と、かの有名な第18変奏。
では、イチオシの変奏部分を大好きなアシュケナージの演奏を元にご説明しよう。
第7変奏:Meno mosso, a tempo mederato
イ短調 2/4 (3:23〜)
いよいよテンポが遅くなってきたところで、「グレゴリオ聖歌」の『レクイエム』より「怒りの日」のテーマが登場します。
ラフマニノフの作品はこの「怒りの日」のテーマが隠し要素の如く登場する。(交響曲第2番や交響的舞曲にも出てくる)生涯にわたってこだわり続けたこのテーマは、この曲にあってはパガニーニの伝説に登場する悪魔を示していると言われてます。
第8変奏:Tempo I イ短調 2/4 (4:40〜)
最初のテンポに戻り、下から突き上げてくるようなリズムで主題が登場します。
ここがとても盛りあがるのだ……
ちなみに吹奏楽版で演奏した時もここはとても楽しかった記憶がありますね。
第9変奏:L'istesso tempo イ短調 2/4 (5:14~)
逆付点リズムのような3連符の鋭いリズムで「怒りの日」のテーマが流れていきます……
第10変奏:Poco marcato イ短調 4/4 (5:46~)
「怒りの日」の変奏。
もうここカッコよくない?
クラリネットの裏で動くピアノが好きなんだな…
あと個人的に6:11〜のピアノパート。
急に雰囲気がガラッと変わると同時に右手で和音、左手で連符と難しそうな動きをしてるけど、この不思議な感じに何だか惹かれるのはやっぱり私だけ?
(吹奏楽版はここをサックスが吹いてたけどすごく好きだった)
と、ここまでただただ「怒りの日」のテーマに触れてきたが、ラフマニノフの作品の面白いところはどこかに隠れた「怒りの日」のテーマを探す部分であると私は持論してる。(こんなこと言ってるのはきっと私だけだよ…)
とにかく泣けるよ…第18変奏
さあ来ました。この曲の代名詞の「第18変奏」
第18変奏:Andante cantabile 変ニ長調 3/4 (15:36~)
主題は別として…この曲の中で特に有名な部分!
しばしば単独で演奏されることが多く、パガニーニの主題の反行形(上下を反対にした形)を最初はピアノが独奏し、それをオケパートが受け継いでいく。
これがもう綺麗✨
荒んだ心を浄化してくれるんだ…
悪魔的なパガニーニのフレーズをこんな素敵なフレーズに変えてしまうなんて…
天才すぎない????
もう聞くだけで泣きそう。
祖国に帰れなくなり心寂しい思いを音楽にしたラフマニノフ
前述の通り、ラフマニノフはロシア出身の作曲家だがこの頃は既にロシアから離れてアメリカで生活をしていた。
なぜなら「ロシア革命」の影響でロシアへ帰れなくなってしまったから。
ラフマニノフは"ビジネスの国"アメリカでピアニストとしての名声を獲得する反面、演奏家活動に多くの時間が割かれることとなり作曲家活動はロシアから亡命後8年も途絶えてしまう…
加えてロシアを離れたことで母国を喪失したという思いも強く、創作源だった"ロシアの大地"を離れたことで想像力の枯渇を感じるなどして作曲にはなかなか取り組めなかった。
ホームシックだったんだ、ラフマニノフも。
ラフマニノフは「音楽には人の心を動かし、豊かにする力がある」と信じていた。
そのような音楽を生み出すには、自分自身の心が何かに動かされないといけないことも知っていた。
そのような中で1931年に夏の休暇を過ごすためとしてスイスのルツェルン湖畔に建てた別荘で1934年6月3日から作曲を開始し8月18日に完成。
そうして「パガニーニの主題による狂詩曲」が完成したのだ!
2023年はラフマニノフの年!
今年、2023年はラフマニノフイヤー!
生誕150年と没後80年の年。
今年は多くの演奏会でラフマニノフが取り上げられる年なので演奏会巡りでもしたいな…
探さねば……!
最後までご覧くださりありがとうございました😄
До свидания!(さようなら)
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