真実は光のように

いつも先に見つけるのは彼女だった
偶然あったときも
どこかで待ち合わせしたときも
決まって声をかけられてハッとする  

何を見ていたのだろう?
たぶん
彼女のずっとずっと向こう側だろう  

僕はちゃんと彼女のことを考えているように見えて
(実際、彼女もそう思っていたかもしれない)
実は考えてくれていたのは彼女で
自分のことばかり考えていたのは僕だ  

初めに好きになったのは僕で
それに付き合ってくれたのは彼女だ
僕側からはそう思っている

始めに見切りをつけたのは彼女で
フラれたのは僕だ
僕はそう思うようにしている

事実は光のように屈折しやすく
いる位置によって様々な表情を見せる  

僕と彼女のいた位置は思っていたところと
違っていたのかもしれない  

彼女は本当の愛を知っていたのだろうか?
いつも彼女は愛する人を幸せにしたいと願っていた
僕はやっぱり自分のことが1番になってしまう

君の愛はいつか誰かに届くのだろうか

きっと君はいつもバカみたいに切なくて
それでも誰かを信じて愛するんだろうな

涙なんてカラカラに干上がってしまって
ヨボヨボのスカスカになって
大切な人に捨てられてしまうとしても

そんなことを考えていると彼女がやってきた
彼女に声をかけられて、僕はハッとする

目の前にはいつもと変わらない笑顔がそこにあった
真っ直ぐに生きている笑顔だ

僕たちはまたやり直すことが出来るのだろうか?
また屈折しやすい真実のことを考えかけてやめた  

僕たちはいつもと変わらない日常の中に  

手をとって歩き出した  

行き先は決めてない  

だけど、きっとどこかに続いている  



#プロット #恋愛 #ショートショート #詩 #ポエム

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