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最悪な気分の夜に

今まで割と色々な曲を聴いてきた気がするけれど、
そのなかでも「きっと一生忘れられないだろう」と思うような、一際強く印象に残る一曲がある。そんな曲について記しておきたい。

KYTE(カイト)は、2000年代に結成されたイギリスのポストロックバンド。
楽曲は、まさに冬の湖畔や森の上空を一羽の黒い鳥が飛んでいるような壮大なイメージで、
よくシガーロスに例えられる。

バンドについてはこの記事がうまくまとめてくれているのでぜひ一読ください。

どうやってこのバンドを見つけたのか全く思い出せない。
ただ、はじめは『Planet』『Borderline』など再生回数の多い曲を聴いて、
「壮大で叙情的で、心が洗われる綺麗な曲を作るなあ。。」と思っていた。

ところがある日、『ihnfsa』という曲を聴いてそのイメージが少し変わった。
例えば、あなたが今、どん底な気分だとする。
その最悪で行き場のない気分に寄り添ってくれる曲を幾つ思いつくだろうか。
自分はそういう時に聞く曲の候補があまりなくて、
「これじゃない」「これでもない」「こんなお気楽な曲はうんざり」といった感じで、どんどん曲をスキップしたくなる。そして気分に合う曲に辿り着けずにイヤホンを耳から外す。
でもこの曲は、たとえ歌詞が一ミリも理解できなかったとしても、そんな次元を超えて「とにかくこのボーカルはこの世界の最悪さについて歌っている」と言うことが一瞬で分かる。それくらい殺気を感じる。
あんまり暗い曲を聴いているとたまに人から引かれるけれど
最悪で井戸のどん底にいるときに、真に自分に寄り添ってくれる曲はこういう曲なんだと思う。

KYTE ー『ihnfsa』


謎の多い曲でもあるけれど、きっとこれからも
「もう何も頑張れない」どん底の夜には頭をからっぽにしてこの曲を聴くんだと思う。

最悪の気分に聞きたくなる曲。おすすめがあればぜひ教えて欲しいです。

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