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喇叭亭馬龍丑。日記「米のない国ジャパニーズ」「怨念ハーフバルブうめき」「懐メロよ、懐本よ」9/10(火)〜9/12(木)

2024.9.10(火)

「米のない国ジャパニーズ」

「風邪ひいた時にはさぁ〜。ニンニクたっぷりの餃子食えば一発で治っちまうよ。ガハハ」って言う人なんなんだろう。馬鹿過ぎて羨ましい。その単純な肉体ください。

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 とりあえず野菜が高い。ミニトマト四百円くらいする。ラーメン用のパック野菜八十円を買って、蕎麦に入れて喰らう。

 米はない。家の備蓄は底をつき、スーパーの棚にも無い。この国に米はない。これが2020年代のディスイズジャパニーズ。飢饉。やるか一揆。令和の米騒動。

 平成の米騒動の時はタイ米との抱き合わせ販売とかがあったね。幼くて記憶が曖昧だけど。「タイ米が不味い」という文言、たくさん聞いた。

 しかしこの国には、抱き合わせ販売の伝統でもあるのかね。たとえば(ドラクエなど)ファミコンの人気ソフトと全然売れないマイナー不人気ソフトをセット販売するとかさ。こっちは更に幼すぎて後追いの記憶だけど。

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 クラシック曲の二曲目に取り掛かる。「あぁ〜クラシック〜」と思うメロディーを吹いている。細かく指定されたアーティキュレーションを(なるべく)守りながら吹く。どうやらクラシックはそういうものらしいから。楽譜絶対主義。

2024.9.11(水)

「怨念ハーフバルブうめき」

 フリージャズサックス奏者達の強烈なフラジオやグロウルに対抗出来るラッパ技法はハーフバルブくらいか、と思ってそればかり練習している。

 トランペット始めたての三年前、唇ライフゲージがすぐにゼロになってしまい、「せつない…吹きたい…」の一心で、ハーフバルブ使って牛の鳴き真似とか馬のいななきなどをして心を紛らわせていたのだが、最近はハーフバルブも進化したようで、人のうめき声に近いものが出せるようになってきた。

 ハーフバルブにすると、トランペットの楽器性が後退し、ただの筒に近づく為か、唇を通して肉声に似たものが出せるようになる、という認識の元、練習中。

 阿部薫がトリオで演った『1970年3月、新宿』。始まりと共に響き出すあの、「この世の終わり」みたいな音に近づけると良いのだけれど。

2024.9.12(木)

「懐メロよ、懐本よ」

 通り雨でずぶ濡れになって、白ティーシャツはおろか何故かパンツまでスケスケになっているおじさんを見かける。なんにも嬉しくない。目が潰れるかと思ったね。

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 訪問先のお宅でついていたテレビにて、九十年代に売れたJ-POP特集なるものを放映していた。眺めていると、音楽というものをヒップだと感じて聴き始めた小中学生の頃に流行った曲達が次々に流れていく。見ちゃう。こんなんずっと見ちゃう。時間泥棒だ。ミヒャエル・エンデより時間泥棒だ。

(注①:今気になって調べたら『モモ』って1973年刊なのね。あのイラストと装丁の感じから1800年代の作品だと、今に至るまでずっと思っていた)

(注②:調べる過程で中国版『モモ』が出てきたのだが、そのタイトルが『毛毛』になっていて、目の錯覚かと思ったね)

 若かりし頃華原朋美の高音。楽々高音に当てていく様が鳥の羽ばたきを思わせる。

 今と大して変わらないスピッツ草野マサムネ。

 CHAGE & (まだ薬にも陰謀論にも目覚めてない?)ASKA。


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