喇叭亭馬龍丑。日記「トーンのこと」4/22(月)
2024.4.22(月)
「トーンのこと」
最近は一日中、トーンのことばかり考えている。これはもはや恋、である。
なんで俺のトランペットから出てくる音は、アホの子が喋ってる、みたいなトーンなんだろう。「あどねー、ぼぐでー」(意訳:あのねー、ぼくねー)、みたいな。
俺の低いIQが滲み出してしまっているのか…。百歳のラッパはもう、「響く」という行為を手放してしまったのか。牧歌的フレーズのオンパレードなのはまだギリ二歳児だからなのか…。
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本当にオモチャみたいな音だ。
感覚的なものを表現し、尚且つ伝える、というのは至難の業だが、敢えて云うとするならば、その音は「表面で散ってしまっている」、とでもいうべきか。
もう少し深いところまで到達するような音であって欲しい。と願っている。
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作家は文体次第で「その小説がどこまで行けるのか」が決まってくるのと同じように、トランペッターが持つトーンも、それによって「何を表現出来るか」が決まってくるように思える。
出来ることならもう少し音に深みを…。
今みたいな、オモチャのラッパみたいな音は嫌なんだ。
勿論、究極的にはパーカーのアルトサックスの音色がベストなんだけど、人も違えば楽器も違う。原理的不可能性に挑むことで別の何かが生まれるこなんてことは…あるのか?