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私小説「”骨髄移植”経緯」~15~

15.GVHD
「明日、明後日と検査があります。」
女医さんが書類をもって現れ、内容を説明し始めました。このところ復活してしまった下痢。大腸検査をし、GVHDなのか別のもの(細菌)によるものかを確かめるためのようです。そのために、検査までに下剤効果のある液薬を2リットル飲んで胃から腸まですっからかんにしておく必要があります。この検査が明後日。で明日は、ドナーさんの骨髄が間違いなく私の骨髄の中で機能しているかの確認の検査。方法は、骨髄穿刺。
方法は、腰骨に穴をあけ骨の中にある骨髄液を吸い出し検査するというものです。今までに二回受けてますが、これは辛い。針を刺す皮膚には麻酔がされているので、針を刺す痛みはありません(骨髄穿刺の針は注射針に比べるととても太いんです)。ところが骨に穴をあけるためにドリルのようになった針の先端を骨に押さえつけながら廻して進めていく過程は、骨を通じて震動として“メリメリッ”と伝わりズーンと腰を包みます。そしていざ骨髄を抜く(吸引する)のも痛みを伴います。3回吸引してやっと針を抜き検査が終わっても、その跡がしばらく痛みます。ドナーさんにも同じことをしていただいたんだと思うと、改めて頭が下がります。

先週の金曜日は、カラス、チュウサギ、ウミネコなどが隣の漁船船着き場の屋根に何羽も止って、空には5羽のトンビが優雅に飛び回り、病室の窓のすぐ近くまでやってきました。

今週は雨続きで、場所によっては警戒レベルの量が降るとか。皆さん、くれぐれもご用心ください。