私小説「”骨髄移植”経緯」~12~
12.副作用
「今日が最後です。」
移植後間隔を置いて点滴を受けていた免疫抑制剤。今回の4回目をもって終了です。この薬、とにかく粘膜へのダメージがひどい。口の中はいたるところに口内炎ができて、喉も腫れて飲み込むのがつらい。食事を全粥に、おかずも柔らかいものにしてもらいましたが食べれても全体の1割程度。薬も飲めず、差し入れてもらったゼリー、ジュレで流し込む始末。これ以上悪くなることはないので(先生談⁉)白血球が増加して治るのを待つばかりです。
昨日はたくさんの方に誕生日メッセージをいただき、とても元気づけられました。皆さんの祈り、光りをいただき、本当にありがとうございました。病院で迎える誕生日などもうないでしょうから、いい経験になったと考えています。前日には初盆のおふくろが夢に出てきましたし、ちょっと前には11年前に亡くなった親父も出てきました。どうやらあちらからもエールを送ってくれているようです。親父は末期の胃癌で緩和病室に居ましたが、見舞いを終わって帰るときに一度だけふっと寂しそうな顔をしたことがあります。今の私と状況は違いますが、一人で病室にぽつりといるのはさぞ寂しかったろうと思います。
そう言えば昨日、シャワーを浴びて髪の毛を洗い流した後に足元を見ると、おびただしい量の抜け毛!ついに来ました最も典型的な副作用。ベッドで寝てても起きると抜け毛があちこちに。ずっと棚で静かにしていたコロコロが颯爽と登場です。まもなく、人生初の(できれば最後の)坊主頭をお披露目します。
世の中はそろそろお盆。里帰りをする御霊がふっと立ち寄ってくれることを楽しみにします。
とても大きく強い台風が接近しています。皆様、どうぞ細心の注意を払って安全にお過ごしください。