何故UVケアは美容に重要なのか-②
こんにちは!
美容整形外科含め色々な科を渡り歩いてる放射線技師、taskunです🐏
前回「紫外線とその影響」について書かせていただきましたが、今回はそれにより肌に起こる
日焼けや光老化が何故起こるのか。
を書いていこうと思います。
なお、今回も細かい定義や機序等はざっくりとだけ書きます。気になる方は是非コメントしていただけるとそのことについて触れるモチベーションになるので是非よろしくお願いします。
また、知識としてのnoteであり解決策等にはほぼ触れません🙇
まず初めに紫外線による影響の代名詞
「日焼け」
日焼けによる反応の主役は前回noteで解説したUVBです。
細胞のDNAに吸収されたUVBは、DNAの並びを傷付けDNAの複製を阻害します。
しかし、細胞にはDNAが傷付きエラーを起こしている部分を取り除く仕組みが備わっているため、その部分が取り除かれ、元通り正しいDNAの並びが作られるようにできています。が、
この時の修復反応がきっかけとなったり、直接的に細胞膜のダメージが細胞内に伝わったりすることで、炎症を起こす様々な因子が放出されます。
(炎症反応も身体が回復したり防御したりする仕組みの一つですが、日焼けによる美容的観点としてはデメリットとなります)
その結果、当日又は翌日には皮膚が痛みを伴って赤く腫れ上がり、1週間ほど経つと死んだ皮膚が薄い膜状になって剥がれ落ちるのです。
色が黒くなる事もこの一連の炎症反応によりメラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)が刺激され、メラニンを大量に作った結果です。
メラニン色素は紫外線を非常によく吸収する為、
次に多くの紫外線を浴びた時に備えた防御機構となります。
なので日焼けという反応を起こさせないためには、第一に紫外線を皮膚へ到達させない様に防ぐ事。最終防衛ラインとして日焼け止め。
その後日焼けしてしまった部位の速やかな鎮静と保湿が大切となってきます。
次に
「光老化」
お年寄りの顔にはシミやしわが多く、またイボ状の変化も見られます。
これは歳をとっただけで起こったものではありません。
現にお年寄りでも日光を浴びない太股の内側などは色が白く、柔らかで、細かいしわはあるものの深いしわはありません。
通常の老化は年齢と共に身体の生理的機能が損なわれていく事を指しますが、
光老化は慢性の紫外線傷害です。
(重力や摩擦等の他の環境から受ける老化も通常の老化とは区別します)
光老化やその他自然環境から受ける影響は、加齢によって起こる老化とは質的に違う変化で、
加齢による老化に上乗せの形で起こります。
大きな違いは加齢による老化では皮膚の厚さや色が薄くなっていきますが、光老化は紫外線に対する防御反応として、皮膚は厚くなり、色も濃くなります。
それがシミ、しわとなって現れます。
外傷を負った部分が皮膚が分厚くなったり、色素沈着したりしますよね。
外傷による修復、再生は短期的に起こる事ですが、
紫外線により長い時間をかけて肌に起こったものが、それと似た様な状態です。
光老化で特徴的なことは真皮にあって皮膚の張りを保つ弾性線維が破壊と再生を繰り返し、最終的に繊維化しまとまった状態になる「光線性弾性線維症」という変化が起こることです。
年をとっただけではこの変化は起こりません。
弾性線維が破壊され機能しなくなるため皮膚の張りが無くなり、しわや、たるみとなり、光老化として現れます。
光老化は完全に防ぐことは困難ですが、予防可能なものです。
また光線防御により多少とも元に戻る可能性があります。
「ガン化」
紫外線は細胞のDNAに傷をつけます。
細胞には傷付いたDNAを修復する機能がありますが、長年にわたり繰り返し傷つけられているうちに、傷の直し間違いが起こり突然変異となることがあります。
本来であればそのようなエラーを起こした部分も排除されるのですが、その部分がたまたまガンの発生に関わる遺伝子であったりエラーとして排除されなかったりした場合、その細胞は無秩序に増殖(ガン化)します。
また、DNA損傷をきちんと修復できない先天的異常を持つ場合(色素性乾皮症など)では、子供のうちから顔などに皮膚ガンが多発します
紫外線が主な要因となり発生する皮膚ガンにも様々な種類がありますが、
とても長くなりそうなので今回はここまで。。。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回も、より深掘りしたい内容や知りたい事柄等ありましたら是非コメントに書いていただけると励みになりますのでよろしくお願いします!