蓮
毎年ハロウィンの頃に、私はいそいそと玄関にクリスマスリースを飾り、クリスマスの曲をかけている。
今年も終わりか、ということで今日は髪を切った。20センチくらい切ったのではなかろうか。ふぁさ、ふぁさっと切った髪が床に落ちてゆく。
美容院を出て、せっかく都会に行ったのだからショッピングをしようと思ったが、まっすぐ自分の街に帰ることにした。
ありがたいことに明日は煌びやかな街でランチのお誘いがある。到底自分ではいけないようなお店を指定され怖気付いているが、でも自分にそうゆう場を経験させてあげたいと思い、快諾した。
最近、自分に対して、「経験させてあげたい」「美味しいものを食べさせてあげたい」と思うようになった。やりたいこと、見たい景色、行きたい場所。そう書くと筆が止まってしまうことも、「自分に見せてあげたい」と考えると色々妄想が広がる。なんか不思議な感覚なのだが。
失敗、失恋、嫌な出来事、辛かったことーネガティブなそれらを私は時間をかけて一巡させて自分の栄養とすることができているのではないか、とこの歳だからか思えるようになってきた。
どれほど泥水を吸っても、美しい蓮の花を咲かせるーある種の覚悟を決めたのかもしれない。
明日のオケージョンも「怖い」が一番に浮かぶ感情だけれど、「経験させてあげたい」と思ってお伺いすることにした。
クリスマスの曲を流し明日も華を咲かせる。
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