山
夏季休暇をとっている。今更感満載。今週二日間とって、来週も二日間取る予定だ。
今週は一人登山に行ってきた。山登りをする家庭で育っているので一通り道具や服はある。がコロナ禍という言い訳をして、山登りからずっと遠くなってしまっていた。
ふと山に行こうと思ったのは仕事上のひととの出会いがきっかけだった。仕事を一緒にしているときに、その方が山登りが趣味というのを知った。私がふとした拍子に「今度連れてって下さい」などと言ってしまったらあれよあれよと現実となった。寡黙な人で、とてもコミュニケーション(特に女性)になれているような人ではない。私は、その場の調子あわせ、社交辞令を言わない女なので、その人と山に行きたかったのは事実だ。でも、自分で言い出したものの相手様が「じゃあいきましょう!」となろうとはちょっと信じられなかった。
その方との山登りは来週となった。
私が誰か(異性)と山登りにいくとは、子供の頃から夢見ていたことではあったが叶うとは思っていなかった。付き合う男性は9割方インドア(作曲家、アパレル、美術史研究、料理研究家の文化系)であったから。
え?今書いていてびっくりしたが、そんな人とばかり付き合っていたのか私は…。
その方は恋人ではないが、とりあえず異性と山を登るという夢を叶えてくれて感謝しかない。ともあれその前に、私は怠けすぎた体をなんとかしないとと思い、一人で近所の山(丘)にいって脚慣らしをすることにしたのだった。
近くの行き慣れたエリアを一人登山の目的地に決めた。そのエリアは街中しか歩いたことがないが、その日は山に向かった。月1か、2ヶ月に一度訪れる街。数日前はランチに訪れたばかりだ。
2時間かけて山をアップダウン。日頃いかに自分が運動していないかがよくわかった。膝が笑う。
山は、ほんとうにいい。歩くことに集中してそのほかのことを一切忘れることができた。そしてなによりも視座が変わることに気づく。日頃いかに近視的に、レースを編むような気持ちで生活をしていることか。ピントを合わせるところを強制的に変えてくれる。一時期上高地に、年に何度も狂ったように通った時があった。山小屋とかで働いた方がいいのではないかと悩みもしたが。好きでしょうがなかった。
この数年すっかり山のことを忘れていた。
ああこれから山に行こ…私に必要な「場所」だ。
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