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スウェーデン留学記#7 夏とレモネードとブラックベリーパイの話

何でもない日にハウスメイトたちと過ごす時間が私は好きだった。

クラーラとアメリはよくレモネードを作っていた。アメリは特にレモンが大好きで、レモンのタトゥーを入れていたくらいだ。なんてことない普通のレモネードだけど、ミントをちぎって入れるあたりが洒落ている、と私は密かに眺めていた。

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そういえばアレクシーはキュウリ水なるものをよく飲んでいた。水に輪切りのキュウリを入れるのだ。アレクシーはフルーツポンチにもキュウリを入れていたので、一回不思議に思って何故キュウリを入れるのか聞いてみたことがある。アレクシーは何を言ってるのか分からないという表情で、「えっ?普通入れるでしょ?あなた入れないの?」と逆に驚かれて困った。調べてみると、キュウリ水はイギリスでは定番ドリンクらしい。イギリス人はキュウリ愛が強いとも。夏には身体を冷やす効果もあるので積極的に飲むのだとか。納得である。

ハウスメイト達はお菓子やパン作りもよくしていた。たくさん焼くと手書きのメモで「ご自由にどうぞ〜♡」とか添えて、テーブルに置いてあったりした。だから、みんなキッチンからいい匂いが漂ってくると期待に胸を膨らませ、しばらく経った頃にそっとキッチンへ降りてくるのだった。

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クラーラはbakning が上手だったので私も何回かレシピを教えてもらった。中でも生地から作るピザのレシピは、簡単で美味しくて日本に帰国後も私の定番になった。

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ハウスメイト達に影響を受けて私もお菓子を焼くようになった。日本よりバターが断然安いのがありがたい。粉はみんなで共用で買っていた。トイレットペーパーとか調味料とか洗剤とか皆で使うものは、誰か気づいたら買いに行ってアプリでレシートを共有して、1ヶ月に一回精算する仕組みになっていたのだ。

最初に作ったお菓子はブラックベリーパイだ。庭には旬のブラックベリーが大量になっていて、管理人のおじさんが毎日バケツに山盛り運んできてくれていた。ハウスメイト全員でせっせと食べてもなかなか消費しきれなくて困っていた。

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見た目はグロテスクだけど味は大好評だった。また焼いて欲しいと頼まれたけど、ブラックベリーの旬もちょうど終わる頃だったのでその後焼くことはなかった。

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