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【2020年11月版】ブロックチェーンゲームの歴史
ブロックチェーンゲーマーの垂水ケイ(@tarumi_kei)です。
2018年の2月くらいからブロックチェーンゲームと名のつくものは色々と触ってきました。
DeFi の影響を受けてか、これまでとは少し違った流れを汲みながらの盛り上がりを感じたので、ここらで一度振り返ってみようと思い記事を書きました。
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ブロックチェーンゲームとNFT
ブロックチェーンゲーム(BCG)とは、ブロックチェーンの技術を使ったゲーム。そのまんまですね。
個人的にBCGを大きくカテゴライズするのであれば、NFT(Non-Fungible Token)を利用しているかどうかで分けます。
最近はBCGというと、NFT利用型のパターンが多いですね。非利用型はギャンブル系が多いかな。
さて、NFTとは代替不可能なトークンのこと。
「俺の持ってる1万円とお前の持ってる1万円は同じ価値(同じもの)だ。通し番号付いてるけど価値は同じやろ!」
これがFT。
「俺の持ってるBCGのヒーロー「アインシュタイン」とお前の「アインシュタイン」は別物だ。レベルとかアートとか通し番号とか全部違う!価値もな。」
これがNFT。
代替不可というよりも唯一性といったほうがしっくりくると思います。この唯一性によって、自分で所有しているという「モノ感」が得られたり、希少価値が生まれたり、その価値の裏付け(真贋とか取引履歴とか)がなされたりします。
NFTについて掘っていくと、歴史を振り返るというメインテーマに到達する前に力尽きそうなので、このくらいの簡単な説明で終わっておきます。
ここからは、ゲームの紹介をベースに、BCGの歴史を振り返っていきたいと思います。
ブロックチェーンゲームの始まり:クリプトキティーズ
このあたりは有名なので知っている人もポツポツいるかなと。NFTのネコをコレクションしたり、取引したり、ブリーディングしたりするゲーム。
Collectible(コレクティブル)というジャンルのゲームです。
希少価値の高いネコに2千万円近くの値がついて取引されたこともあります。(希少性自体に価値はなく、希少性に価値があると信じた人がいたからこの値段がついたわけですけどね。)
自分のウォレットの中にデジタルのネコがいて、自由に取引もできるという体験が意外と面白く、ついついネコを買ってしまう人が続出したとかしなかったとか。
ただ、ゲーム性はないので、「BCGはクソだ」としばらく言われた原因でもあると思っています。
開発しているのは、DapperLabsです。最近はゲーミングチェーン「FLOW」で話題になりましたね。日本のBCG企業ともコンタクトを取っているようで、なんだかんだBCG界隈のトップランナーだと思っています。
ここ最近ネコ可愛くなってきたことない?しばらく見てない人は見てみて!
日本で最初に話題になったBCGその1:ビットペット
BCGとして最初にささやかな盛り上がりを感じたのは、ビットペットです。
リファ報酬が「紹介者の使ったETHの20%」で、なかなか美味しかったこともあり、仮想通貨系インフルエンサーが紹介して、当時としてはそこそこの人数がプレイしていました。
ゲームとしては、コレクティブル+ミニゲーム。
リファで儲けるか、ミニゲームで儲けるか、ガチャで儲けるか。
稼ぐ選択肢が割と多く、「BCGは稼げる」という流れを作ったきっかけになったゲームです。
途中から開発がストップしている割に、新しいゲームのプレセールばかりやるようになり人が離れてサ終済み。
ペットがNFTになっていたかどうかは微妙なところで、HyperLedgerを使っていたはず。ETH課金型のHyperLedger利用BCGというのが私の認識。違っていたらすみません。
HyperLedgerについては、こちらの記事がわかりやすいです。
日本で最初に話題になったBCGその2:イーサエモン
イーサエモン(今はイーサモン)は、NFTであるモンスターを育成・進化・バトルさせるゲームです。
バトルはオートバトルで、何をするにもgas代が発生する仕様でした。(途中からgasレスに変わりました。)
NFT利用でバトルもスマートコントラクト!というのはBCGとしてとてもあるべき姿ではあるんですが、やっぱりgas代がキツイんですよね。
「ぐぐぐ、こ、これが、ブロックチェーンゲームなんだ!!!」
と自分に言い聞かせながらプレイしていました。
途中で資金難になり、開発がストップしましたが、2020年頃から再開し始めています。開発ストップ前のNFTも使えているので、「サ終してもゲームをプレイしたNFTが残って、復活したらまた使える!」という体験を提供してくれているともいえます。
Decentralandを交えたコンテンツも提供しており、他のBCGとは違っていい方向に進んでいっていると思います。
初の国産BCG「くりぷ豚」リリース!
2018年6月に、日本で(たぶん)最初のBCGとして「くりぷ豚」がリリースされました。
かわいい豚のコレクティブル+ミニゲーム。(当初はコレクティブルのみ)
配合して、かわいいブタちゃんを愛でるだけといえばだけのゲームです。
そこから少しずつエコシステム的な要素や育成・ミニゲームのやりこみ要素が追加されていきました。
当時は「BCG=稼げるチャンスがある!」という認識が強い中、ほぼ稼げないゲームだったことから、なかなかユーザー数が伸びなかったのかなと思いっています。
最近はリアルな豚肉を使ったキャンペーンをやっていますが、ゲーム自体をプレイしている人は少なそうな印象。肉はうまそう。(オフ会で振る舞われていたようで本当に美味しいらしい。)
ゲーム自体はちゃんとしているので、何かのきっかけで盛り上がればいいのになと思います。
スキャム!プレセール!スキャム!ギャンブル!期
ここからしばらくは地獄。
ほとんど、まともなゲームがでてきません。そんな2018年。
・プレセールだけやって開発が全くロードマップどおりにいかない。
(アクシーもそうだったよ)
・ある日突然アクセスできなくなっている
・ギャンブル!ギャンブル!
マイクリがでるまで、こんな状況が続きます。ここを乗り越えてる古参はメンタル鍛えられてると思います。
なので、マイクリが当時発表されたときには「国産スキャムか!?」みたいな雰囲気もありましたね。
プレイできるゲームもいくつかあったんですが、NFTガチャとかの闇のゲームだったので、ここでの紹介は割愛。別途記事にしようと思います。
国産ブロックチェーンゲーム続々登場
2018年末〜2019年にかけて、かなりまともにプレイできるBCGがようやくでてきます。
・MyCryptoHeroes
・CryptoSpells
・コントラクトサーヴァント
このあたりの国産ブロックチェーンゲームが続々登場です。
これまでは「知り合い3人くらいしかプレイしてねぇ。。。」って状態だったところから人が増えたので、感動したのを覚えています。
各ゲーム、リリース時のセールはなかなか好調でした。特にCryptoSpellsはクラウドセールで黒字化に成功し、BCGの可能性を業界に示していました。
当時のセールの記事を見直してみると、面白いと思います。
2019年の夏頃までは国産BCGに盛り上がり(というかバブル?)を感じましたが、その後一旦落ち着いていくことになります。
このあたりから、「稼げるかどうかよりもブロックチェーンゲームだからこそできる体験はなにか?」「ブロックチェーンゲームだからゲーム性が低い時代は終わった」みたいな風潮になってきました。
その後しばらくは、国内には大きな変化がないまま続きます。
業界的なニュースとしては、2019年9月に金融庁が「NFTは仮想通貨に該当しない」というパブコメに回答したことがあったくらいかなと。
海外はGodsUnchained一強
国産BCGがでてきた2019年。海外に目を移してみると、意外とまともなゲームがない。
TCGのGodsUnchained(ゴッズ)くらいじゃないかなと思います。
・プレセールの成功
・超レアカードが約600万円で取引
などなど、話題になっていました。(毎回思うけど、ゲームが面白いってことで話題にはなかなかならないよなー)
マーケットでのカードの取引も盛んに行われていて、プレイ人口も多いです。日本でプレイしている人もちらほらいます。
プレセールに参加して、ウォレットに大量のゴッズNFTが眠っているブロックチェーンゲーマーもいると思います。もはや一括burnしたいよね。
個人的に印象的なニュースは、ゴッズをプレイして生活する人@ブラジルがでてきたこと。ゲームの面白さも大事ですが、Play to Earnってコンセプトはやっぱりいいですよね。
The game i'm working on, @GodsUnchained has a 'play to earn' model where completely F2P players can earn. One of our community members posted this in our discord and its honestly blowing my mind how cool it is. pic.twitter.com/mMbYHClP33
— Petrify (@coL_Petrify) September 30, 2019
2020年DeFiバブル到来
2020年6月に、仮想通貨レンディングプラットフォームのCompoundが、ガバナンストークンCOMPを発行し、それに価値がついたことを皮切りに、DeFi(分散型金融)のバブルが来ました。
DeFiバブルの中身は割愛しますが、「流動性提供」「ガバナンストークン」「ステーキング」などのDeFi要素を取り入れるBCGが登場しました。
逆に、非ゲームのNFTを絡めたDeFiも登場してくるなど、DeFiバブルはBCGにとっても転換期となりました。
国内では流行に乗ってマイクリがガバナンストークンを導入するなど、新しい動きがすでに見えてきています。
そして現在に至る。
まとめ
BCGの歴史をざっくりと振り返ってきました。
少しずつですがBCG特有の不便さも解消されてきていますし、ユーザーもたぶん少しずつ増えてきています。
これはきっと2021年はBCG元年になるやつですね。(毎年言ってるやつ。)
日本でもコインチェックがNFTに取り組みだしたり、GoWalletがSKEコラボのNFTを発行したりと、ゲームを含めてNFT周りの動きが活発になってきている感じもします。
儲かる儲からないは一旦置いておいて、新しい体験ができることは間違いないかな。BCG界隈楽しいですよ。一緒にやろうぜ。