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やりがいは誰も用意してくれない

料理の世界に飛び込もうと思ったのは、小学生のころに父親が買った美味しんぼを偶然読んだところから始まります。

小学校の卒業文集に将来の夢は「調理関係の仕事」と。
「コックさん」とか「ケーキ屋さん」とかでもなく、なんとも憎たらしい子ども。

中学生、高校生になってもその目標は変わらずに成長して、2年制の調理師専門学校へ進学することになります。

授業日数も多く、アルバイトも週に5,6日していたので遊ぶ暇がないくらい忙しい!

大学生の友達から「夏休みは2ヶ月あるけど」と聞かされる度に呪いの言葉を吐きながら学校へ向かう日々。

それでも飲食業界への夢や楽しさ、やりがいを求めて集まった同級生たちとの学生生活は充実していたと思っています。

その後、就職先はパスタやピザをメインに提供しているカフェへ。
同級生たちもレストラン、ホテル、ケーキ屋などの飲食店へ無事に旅立ち。

あれから10年。

じゃあどれくらい飲食業界に残っているかと言うと、30人いたクラスでおそらく10人いるかどうか。

学生のころから「飲食業は離職率が高い」と聞かされていても、なんとなく自分だけは違うと思い込んだりして。(大間違い。)

私が新卒で入社したカフェが一番働き方がおかしくて、月に1,2回のおやすみで休憩は5分。
朝8時から夜12時まで働いてました。

1年で辞める頃には同期の15人は2人に。

その後のイタリアレストランでは6年ほどお世話になります。

週1のおやすみと1時間半の休憩。
朝9時から夜11時まで。

それが快適と感じる体になってしまいました。

28歳で自分の中のタイミングやコロナ禍ということもあり、飲食を離れることを決めます。

またやりたければ戻ればいいやと思って営業職へ転職しましたが、メンタルを壊して1年で飲食店に帰ってくることに。

最終的には縁があってお店を始めて、他の個人店オーナーのお話を聞いてみると、元々は全く別の職種から飲食店へ飛び込んだ方が多い印象があります。

昔から飲食店を夢見て専門学校へ進む人は、逆にハードルを上げすぎてしまってギャップにやられ、辞めてしまう方が多いのかなと。

絶対に地元でケーキ屋さんを出すと言っていた友人が工場で働き始めたと噂で聞いた時、掛ける言葉がなくて連絡ができませんでした。

勝手ですけど、何かのきっかけでまたケーキを作ってほしいなと思ってみたり。

オープン当初に飾ってた大家さんの持ち物
「あるべきよう あなたはあなたのままでよい」

今の専門学生や飲食店で働き始めたいと思っている方へ言えることとして
10年前と比べたら格段に労働条件は改善されてますが、それでも厳しい環境で働く業界です。

何よりも、やりがいが無ければ続けられないのかなあと。

それは会社や飲食業界が用意してくれるものではなく、自分の力で時間をかけて見つけるものだと思います。

「この会社、やりがいが無いんだよね。」

なんておっしゃる方は、おそらく見つける努力をさほどしてないんじゃないかと。

自分の作るもので喜んで欲しい!とか
接客を通してお客さんとハッピーな気持ちを分かち合いたい!とか

そういう気持ちが芽生えそうならきっと続けられるんじゃないかなあとか
飲食10年くらいのまだまだ若輩者ですが、考えたりしています。

そんなこんなで、今日も楽しむぞ!

今のやりがい

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