大きなかぶ♡
昔々、ある東方の村に魔女が住んでいました。
「あれをああしてああすれば、大きなかぶが…、ぐっふふふふひ」
その村には、平均的なおじいさんとおばあさんも住んでいました。
ある時、おじいさんは畑に信じられないほど大きなカブが地面から顔を出しているのを見つけました。
おじいさんは驚いて、すぐにおばあさんに知らせに行きました。
「おばあさん、畑に何やら大きなカブが植っておる。引っこ抜くのを手伝ってくれないか!?」
おばあさんは興味津々で畑に向かい、二人でカブを引き抜こうとしましたが、カブはびくとも動きません。
孫娘も呼んできて、三人で力を合わせてカブを引っ張りますが、やはりカブはびくともしません。
孫娘は、今度は犬を呼んできましたが、三人と一匹で引っ張ってもやはり抜けません。
「このカブ、ただのカブじゃないワン……何かおかしな力が宿っているワン。黒猫が何か知っているかもしれないワン」と、犬は思い、黒猫を呼びに行きました。
黒猫を見つけると、犬は「あのカブ、君のご主人様の仕業じゃないかワン?」と聞きました。実は黒猫は魔女の使い魔なのです。
黒猫がカブを見に行くとすぐさま、「こりゃ絶対うちのご主人が育てているカブだニャ。またきっと良からぬことを考えてるニャ〜」と言いました。
そして黒猫は魔女の元に向かい、カブのことを伝えました。 魔女はそれを聞くと「ついに出来たのね〜♡♡」と笑いました。
そして、「ひゃっほー!、ネズミになーれ!」と 魔女は自分の姿をネズミに変え、一目散に畑へと向かいました。
畑に着いたネズミは、まるで何も知らない風を装い、皆と共にカブを引っ張る手伝いをしました。
おじいさん、おばあさん、孫娘、犬、黒猫、そしてネズミが力を合わせた瞬間、カブはついにグラグラと揺れ始め、カブが抜け始めました。
ネズミはすぐそのカブに飛びつきました。そして皆んなの目の前でネズミから元の魔女へと戻ったのです。
「このかぶは、わしのじゃ〜♡♡♡♡♡♡よく育ったの〜♡♡♡♡♡♡」
魔女は大きなかぶ?を連れて去っていきました。
畑に残されたおじいさん、おばあさん、孫娘、犬は唖然としていました。
「お、おじいちゃん、あのかぶ、魔女が全部食べるの?」
「…たべるんじゃないかなぁ」
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