「みんな」じゃない「みんな」
タロアウト絵本『ラニーちゃんとたんじょうびやさん』(講談社 / 1,400円(税別))が2023年5月25日に発売されました!今回はどんなことを考えながら書いたかです。
『ラニーちゃんとたんじょうびやさん』には、「みんな」という言葉がたくさん出てきます。
ぼくは子どもの頃から「みんな」という言葉に何とも説明し難い想いを持っていました。「みんな」って100%全員ってことはほとんどなくて「だいたいの大半」くらいだと思うのです。「クラスのみんな持ってる」とか「まわりのみんなそうしてる」とか。それって本当に100%全員なのか?少なくとも自分は違うんだけど…と、タロアウト少年は常にそうやって斜に構えていました。(そうしておおよそ「みんな」と違うおじさんになってしまった訳ですが…。笑)
さらにここ数年に至っては、「みんな」という言葉はとても優しく包括的な一方で、「だいたいの大半」からはみ出た側の人に、疎外感や孤独感というものを感じさせはしていないだろうか、と考えるようになりました。「みんな」に収まらない人たち、私自身はもちろんのこと、全てが「だいたいの大半」に属する人なんて、世の中にいるのだろうか…?とも。
そんな考えもあり、『ラニーちゃんとたんじょうびやさん』は、「みんな」に愛される名作がたくさんある絵本世界にあって、「みんな」も、「みんな」じゃない「みんな」にも、共感してもらえたら幸せだなという想いで作りました。
たんじょうびがわからないけれど、たんじょうびをおいわいしたいラニーちゃんは、そんな「みんな」や「みんな」じゃない「みんな」の代表です。
「こども」はどんな感想を持つでしょうか。
「おとな」はどんな感想を持つでしょうか。
「みんな」はどんな感想を持つでしょうか。
「みんな」じゃない「みんな」はどんな感想を持つでしょうか。
「あなた」はどんな感想を持つでしょうか。
そんな『ラニーちゃんとたんじょうびやさん』ぜひチェックしてみてください。
ありがとうございます
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