「べき論」のおはなし。
べき論って「こうあるべき」、「そうするべき」と言う言い回しから出てきた話で、義務を果たすべき、理想を実現するべき。と言う形で自分で強くする主張、論調のことを言うと解釈しています。
私も「べき論」について、いくつか本を読んだり人から話を聞いたりして学んでいたのですが、結局の所、「べき論」を作っているのは自分自身なのですよね。
育ってきた環境や自分や人から学んだこと、社会一般の常識を踏まえて自分自身で判断をして、「べき論」が出来上がるのです。
じゃあ、べき論は持つべきではないのか?と言われたら、違うんですよ。
自分自身で作り上げた考え方なのですから、自分でそれを否定する訳にも行かないのです。
相手の話をずっと取り入れるやり方も一つですけど、それだと主体性のない人で人として面白みが感じられなくなってしまいます。
ここから、べき論を受けた側の視点と伝えた側の視点に立った上で考えてみます。
べき論を受けた人の気持ち
べき論を受ける側としては、嫌な気持ちになることが多いです。
そして、相手に対して反発心を抱くものです。
例えば、自分の趣味を「これは面白かったからおすすめ」「あの映画は絶対に見た方が良い!」と言うのを連発してしまうのも、ある意味べき論だったりします。
自分の好きなことをいっぱい話したくなる気持ちはわかるのですが(私もそうですから)、きちんと引くべきところは引く姿勢も肝要です。
べき論を受けた場合の対処法
そんな私達も、「べき論」を投げられる機会も多くあるでしょう。
そんな場合、どのようにすれば良いか?
基本的な対応としては、相手に理由を聞くことです。
「なぜ、そうするべきなのか?」
「どうして、そのように感じたのか?」
「具体的に、どのように行動すれば良いでしょうか?」
「今行動したとして、実現性としては可能でしょうか?」
なぜ?どうして?具体的には?実現性は?
このような形で、具体的な形に踏み込めるように議論をするのです。
もし、実現出来ない行動が出てきたのであれば、非現実的な話として受け入れることは出来ないでしょう。
実現性が感じられるのであれば、お互いに前向きに議論ができるようになります。
べき論は、マイルールだ!
べき論は害悪である。と言う話も中にはありますが、べき論は自分の持論。曲げることは難しいのです。
でも、あなたが持っているその「べき論」は、本当に正しいものなのでしょうか?
今一度、しっかり考えてみる必要はあるのです。
べき論とは、言い換えると「マイルール」。
自分で作ったルールで、相手だけでなく、自分を縛ろうとしているのですよ。もし、相手にかざしたべき論がゆるいものであればまだしも、きついものであれば、相手はどう感じて受け取るでしょうか?
例えば紐を使って腕をゆるく縛った場合、痛みを感じません。
でもきつく縛ったら、腕に痛みを感じますよね?
だから、ルールやべき論って、内容によっては痛みを伴うものです。
しかもべき論っていうのは、縛りがきついのです。
相手に苦痛を与える手段になっているのです。
べき論どう話を伝えるのか?
では、自分のべき論をどう伝えるか?方法があります。
それは、相手に痛みや縛りを感じさせないように、伝えるのです。
例えば、「僕はAの考え方だけど、あなたはどう思う?」
と言う形で、相手の意見を伺う形で話をするのです。
こうすることで、相手は自分の話を受け止めてくれると感じるようになります。
そして、相手と意見が食い違っていた場合には、自分が意地を張らず、相手の考え方や意見を柔軟に取り入れる姿勢を忘れないようにしましょう。
そうすることで、相手からも懐の深い人だと思われるようになります。
自分の理想や、想いを「こうあるべき」と伝えることで、相手が反発してしまい、議論にならない思いをした方は、特にリーダー的な役割を持つようになった方で大勢いらっしゃると思います。
べき論を受け手側にすると、強制的に聞こえてしまう、脅迫的に感じてしまうと言う受けての気持ちが芽生える体験談が多く書かれていました。
なので、上手な伝え方を身につけて、建設的に話し合うのです。
何でも上から目線で話す必要はありません。
これからは、お互いに協力し合いながら創り上げることを意識する時代になります。そして、人を大切にできないと、自分に帰ってきます。
まとめ
「べき論」はなくさなくても良いのですが、伝え方一つで相手が受け取るあなたの印象が変わってしまいます。
私もタロット占いをする占い師さんとして活動をしていますが、占いとして出てきた結果について、世間一般の「常識」とは違う結果が出ることもよくあります。
その場合、一つの考え方として受け入れて貰えない可能性を感じながらもきちんと出てきた結果を伝えるべきことは伝えます。
ただ、そのままの内容を伝えたとしても、相談者には受け入れてもらえないことの方が多いです。
こういった場合、私の過去の経験や他の事例と言う引き出しを使って、それをクッションとして出して伝えることもよくあります。
あるべき論を受けた場合の提案の仕方、そして正しい相手への伝え方をきちんと身に着けて、良い人間関係を築いて行くようにする。
そうすれば、建設的な話のたくさんできる良い社会になるのではないか。
私はそう信じています。
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