助産師に贈る手紙
5月の目標に「娘のハーフバースデーを盛大に祝う」という目標を掲げた。
本来であればフォトスタジオに出向いてきれいなセットで写真を撮り、親族みんなでこじゃれたお店に集まってちょっとしたごはん会でも開けたら良かったのだが、さすがに誰も提案してこないあたり私の周囲の人は私と価値観が合う人だと実感している。
とはいえ娘にとって一生に一度のハーフバースデーまであと14日。家でどんな風にお祝いしようか。
娘でも食べられるケーキがないか探してみたり、1/2バースデー用のろうそくを注文したり。出かける機会がなくても記念に可愛いワンピースを買うのもありかもしれない。
そしてふと、これを機に、娘を無事にとりあげてくださった助産師の方に手紙を書こうと思った。
手紙離れと言われるこのご時世、私は意外と文をしたためることが好きだ。アイドルのおっかけに夢中になるあまり東京の某劇場で終演後に手紙を渡しまくったことや、プロ野球のキャンプで…以下同文。とにかく、同世代の中でもよく手紙を書く方だと思う。
数えきれないほどたくさん便箋を持っているわりに、どれにしようか小一時間迷って結局新しい便箋を注文してしまった。そうなのだ、「この人にはこんな雰囲気で手紙を書こう」と思うと、手紙というのは便箋選びからすでに始まっている。
「お元気ですか」。
- 娘が生まれてまもなく、未曽有の感染症が蔓延してしまったので一度も顔を見せに行けないまま半年が経ちました。
娘の近況を報告するつもりだったのに、気付けば新型コロナウイルスの脅威を前に毎日妊婦と向き合う姿が目に浮かんだ。…私と同世代か、もしくは少し年下の助産師だったから、もしかしたらこの騒動を機に退職してしまったかもしれない。一瞬そんなことが頭をよぎったが、1週間の入院期間の中で話しをした感じ、その可能性は無いように思うが、こればかりは分からない。
同封するために娘の写真を撮った。とりあげてもらったときは3,000gだったが、今はその倍の7,000gを超えて大きくなった。声をあげて笑うようになった。
最前線でがんばる貴方へ。無事にこの手紙が届きますように。
2020/05/03 こさいたろ