インフレ期待はインフレを起こさない!?
『リフレはヤバい』(小幡績 著)を買ったのは1年ほど前だが、このお正月に読めたので自分なりの理解や解釈を書いてゆく。その第一弾。
『インフレ期待はインフレを起こすか?』
著者の主張はこう書いてあります。(P31-34)
金利については不勉強で判断できませんが、
■インフレ期待は資産高を生むし
■一部それに影響し価格上昇するモノはあるものの
■全般的にはインフレ(所得と連動した価格上昇)は起きない
と解釈、賛同します。
関連する現実の数値を紹介していきます。
不動産市場はバブルの様相を呈していた
『バブル崩壊、リーマンショック…歴史が教えるポスト・コロナにおける不動産市場のシナリオ』という三菱UFJ不動産販売の記事によれば
2013年比(アベノミクス開始)
都市と郊外(大都市圏と地方)で状況は異なるものの、首都圏に限定した場合
■新築マンション平均価格は約20%上昇
■中古マンション平均成約価格は約30%上昇
で、バブルのピークと並ぶ水準になっていた。
* なお、東京都の地価は数~7%程度の上昇であった。
金の価格も20%を超える上昇
高級外車の登録台数数は185%に増加
日本自動車輸入組合(TAIA)の統計データによると
1千万円以上の高級外国車の登録台数も185%と大幅に増加していることが分かる。
日経平均は約200%に
物価は5%ほど上がったが消費税+5%
ご存知の通りですよね。
なので、所得が5%以上上がっていないと可処分所得は増え、豊かにはなっていない訳ですね、一般庶民は。
所得は5%ほどの増加
平均世帯人数が減少している点などを考慮すると、単純に「世帯平均所得の減収=働く一般的な人たちの所得減」と判断できないし、そもそも平均でなく中央値で判断すべき…と、所得の変化については統計データ上の確認が慎重にならないといけないのだが、こちらの記事が素晴らしくよくまとまっています(詳細は読んでね)。
「世帯所得の中央値や世帯人員数の移り変わりをさぐる(2020年公開版)」
まぁ結論は2013年比で「働く一人当たりの所得は3-9%ほど増えた(中央値)」と考えられます。
まぁ「一般庶民の生活は変わっていない」というところでしょうか?
考察は次記事にて書きます。