信用創造「資金運用・調達」の視点
前提となる「銀行間決済」の理解を深めた上で
今度は違う立場・現場から見てみよう。
「違う前提や範囲」だから当然結論も違ってくる訳ね。
《「資金運用・調達」担当者なら》
今度は信用創造を考える際に
『銀行全体のBSを把握』し、『日銀とやり取り』しつつ、『短期国債の金利などに影響を受け』つつ、『日々の資金調達を行う』『銀行間決済の額を確保する』立場をイメージしてた。
1億超の貸出、他行流出なら「即時決済分の日銀当預が十分か?」とか
日銀当預残高多過ぎたら「マイナス金利になる、ヤバい!」とか。
=資金運用・調達の視点とは?=
・日銀ネットで国債の売り買いする話であり
・資金系システム(勘定系でない)であり
・調達金利の変動が判断に影響する前提であり
・「銀行間決済の担保、多額の同時決済も原資確保」は死守しつつ
・かつ「当座預金額の適正管理:マイナス金利を避けなきゃ!」
というような感じです。
《そもそも大前提・範囲が違う》
そもそも多くの貸出行為の範囲は
「貸出で終了」ではなく
「資金流出(他行への送金)」確認までが範囲ですよ、と。
*運転資金の場合は「貸出した自行口座に預金を入れておく」っていうことで即時の銀行間決済しない、そんな理解かな。
前の記事でもいくつかのケースを紹介したけど
「他行に振込むための貸出」が色々ある・普通でしょう、と。
《実務で大事な点も違う①》
”又貸し論”や”実務を知らずに又貸し論否定をする"場合に、準備預金率が出てきますよね。
でも、実務「資金運用・調達」視点で見ると
準備預金率なんてまったく関係ないー日常業務では眼中にないー訳です。
マイナス金利導入(2016)後の日銀当座預金は3層構造になっていて基礎残高部分は「ノーリスクで0.1%付利」なので超美味しく【死守するのはあったり前】なんです。
で、「マクロ加算残高」も「0%キープだから*」実務上、下図の青部分(マクロ加算残高)の維持が大事なんです。
なお、法定準備額は基礎残高よりもっと低いです。
つまり
「法定準備率が~」、「法定準備金を確保~」っていうのが
全く【実務上は当たり前過ぎて何言っちゃってんの???】感があるんですね。
*深く理解したい方(上記の素晴らしい資料リンク=コチラ)
「実務で大事な点も違う②」は続く…
関連リンク~~
『【完】預金は貸出の原資でない。でも...』
『【自分の視点を客観視すること】』
『信用創造「支店長の視点」』
『「銀行間決済」の視点:まず知識』