「新機動戦記ガンダムW」結構面白かったよ
今年もガンダムは激動の年だったと思う。
ガノタは長年待っていたであろう、SEEDの新作「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」からはじまり(続編も決まってたね)、横浜の動くガンダム立像の公開終了、「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」の公開などなど。最近は、大阪万博に設置されるガンダムや、2025年公開の「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」(ジークアクスって読むらしい)の話題がつきない。
そんな中、某ジャングルPrimeに、「新機動戦記ガンダムW」(以下、W)が公開されており、恥ずかしながらまだ観ていなかったため、全部観てみた。
結構面白かったので、感想として色々と書いてみようと思います。
(以下、めちゃめちゃに個人的でネタバレもりもりなので、まだ観てない人は観たあとの方がいいかもしれません)
ちなみに「ガンダムAGE」を観た感想はこちら
ストーリー
ざっくりしたあらすじを言うと、ガンダムお馴染みのスペースコロニーが地球から抑圧されているというか構造があり、そんな地球に一泡吹かせるために、宇宙から5体のガンダムが送り込まれ、軍事基地等を壊すなどのテロ行為をしていたら、裏ボスの策略で、間違って平和派の人を殺してしまい、それを引き金に地球ではクーデターが起こり、ガンダムたちは宇宙に戻ったと思ったら、宇宙の人たちはクーデターに賛同しており、立つ瀬がないガンダムたちは一度やられ、ガンダムが破壊、パイロットは幽閉されたけど、気づいたらクーデターをした軍が割れ、さらに地球と宇宙で確執が起こり、ガンダムパイロットたちは解放され、地球と宇宙の戦争が起きたところに第3勢力として加勢し、宇宙がコロニー落としをしようとしたのを止める、って感じ。
つまり、グチャグチャってことです(↑を書いてて、自分でもびっくりしました…)
これは、当時の制作の影響(監督の急遽の変更)も原因にはなってるのかなとは思いますが、中々に酷いですね。
ただ、不思議なのが、物語としては結構まとまってるように見えるんですよね。
おそらく、
①全体的にガンダムサイドは逆境
②貴族的な雰囲気
③平和を追い求める思想
④キャラの魅力
といったところが一貫してたからかなと
平成の新ガンダム感
SEEDは21世紀のファーストガンダムと考えることができるのであれば、Wは平成の新しいガンダムって感じでした(新機動戦記の冠は伊達じゃないっ)。
観ていて、やはりどこかファーストや宇宙世紀と同じような流れを感じつつ、ファーストへのリスペクトを感じましたね。
そもそもの図式(コロニーの抑圧)はファースト以来お馴染みのものだし、ガンダム側は逆境に立たされるのはファーストから継承されているものだろうなと(ただ単騎×5で地球と戦うって…)。
そして随所に見られるシーンもファーストリスペクトがあったと思います。トロワの「モビルスーツの性能〜」的発言であったり、アニメ版最後のコロニー落としとヒイロの爆発からの帰還とか。
ただ、どこかファースト・宇宙世紀感はありつつ、平成のスタイリッシュさを感じるのが魅力の一つだと思います。
キャラクター
やっぱりWを語る上で、キャラクターは外せないでしょう。
Wには以下5人のガンダムパイロットが出てくる。
ヒイロ・ユイ
デュオ・マックスウェル
トロワ・バートン
カトル・ラバーバ・ウィナー
張五飛
彼らのキャラクター性が何と言ってもいい。最高。
最初はバラバラで地球に降り立った5人が、互いに同じ目的であることを知り、何となく一緒に行動し始める。ヒイロやトロワはどこかスカしているけど、段々と仲間想いなところが出てきてて、敵として邂逅したときに眼と眼で会話をするようになってくる。そして、Endless Waltzになったら、それぞれの過去の掘り下げもありつつ、互いが互いを信用してて、胸熱でした。
多分こういうガンダムでチームを組むのは、Gから継承されつつ、00とかまでの礎になったんだろうなと(しかもイケメンだし、僕はデュオ派)。
さらに、恒例の仮面枠のゼクス・マーキスは、ほぼ赤い彗星だけど、ガンダムパイロットを信用し続け、妹のために悪者になろうとするといったイケメン。
裏ボスのトレーズも実は平和主義だし、レディ・アンも最初は悪女やんって思ったけど、最後の方に向けていいキャラになっていき、Endless Waltz では推せるキャラになってた。
そして、僕がWで一番好きになったのは、やっぱり、マグアナック隊でしょ。なんなんですかね、あのカッコよさ。カトルの優しさを最大限尊重しつつ、身を張ってカトルを守り、最終決戦では、デュオとの一緒に戦おうの約束を守り、ここしかないタイミングで現れる。
渋くて、かっこよすぎる…
モビルスーツ
正直モビルスーツは好き嫌い分かれるんじゃないかな。
少なくとも僕は最後まで、ウイングガンダムとTV版のウイングゼロの違いが分からず、乗り換え前と乗り換え後の機体の違いが、あまり分からなかった(でもデスサイズヘルは結構好き)。
あとはガンダム以外のモビルスーツやモビルドールのデザインが今ひとつという印象。モビルドールはおそらくロボット感を演出するために生気がない感じにしたかったんだろうなとな思いつつ、それじゃあ人気で無いだろうなと。トーラスもなぁ…ウルトラ怪獣の宇宙人みたいなデザインだし…
ただ、トールギスはとても良デザインだと思う。
W自体が思想系で、貴族的な雰囲気が漂っているため、騎士のようなデザイン、近接戦闘メインの武装と、作品にマッチしているように思った(作品の雰囲気に合わせようとしてエピオンはあんな感じのデザインになったのかなぁ…あまり好みではなかった…)。こういうモビルスーツは、宇宙世紀だとギャンの系統だけど、ギャンとは違う良さが出てて、これはガンプラ作りたいって気持ちになりました。
曲
ガンダムの曲は神曲が多い中で、Wは指折りの神曲だろう。「JUST COMMUNICATION 」はカラオケの定番ではと思う。
ただ一つだけ言わせてほしい。
僕は「RHYTHM EMOTION」の方が好きだ。
でも、制作の影響もあってか、流れるのが40話過ぎからなんだよなぁ…
あまり注目されてないけど、EDの「It's Just Love」も耳から離れない感じだし、W は良い曲が多い。
(もちろん、WHITE REFLECTION もLAST IMPRESSIONも良い曲ですよね)
その他
その他これだけは書いておきたいのだけれども、TV版最終話で、第1話を伏線にしたのがとても良かった。
Wの第1話と言えば、アニメ史に残るものだと思う。
誕生日パーティーの招待状破り→「お前を殺す」デデンッ
最終話で、リリーナの誕生日に直接手紙を渡さなかったヒイロ。そのヒイロに向かって、手紙を破り捨てるリリーナ。この(当時は分からないけど)ネタを最高のかたちで回収し、締めているところがとても好感が持てるなぁと。
総論?
ガンダム作品は(特にアナザーは)好き嫌いが分かれることもあるし、宇宙世紀派からしたらアナザーは…という人もいるかもしれない。でも、アナザーの中でも宇宙世紀っぽさはあるし、WはWの面白さがあったなと思います。
と上記では絶賛しつつ、実は最初の20話くらいは少し退屈はありました…
(ガンダムが負け続ける、宇宙に行く辺りから段々と面白くなって来たかなと)
観きるのに時間はかかりますが、途中からちゃんと面白いので、オススメします。
(酷評してる感想もチラホラ見ますが、自分の目で観たものを信じるのが一番だと思います)