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#25 湖のほとりで
芦ノ湖を臨む鳥居。
その下に立ち、記念写真を撮る人たちがそれぞれの時間を楽しむ。
撮る人が撮られ、撮られた人は笑顔になり、その次の人がまた撮りつ、撮られつが続いていく。
幸せな笑顔の連鎖がかわりばんこにつながる温かさの連鎖。
道具はカメラからスマホになったけど、昔からこの「お互い様」は変わらず素敵な姿だと思う。
旅の主人公は自分。
自分で描いた短編シナリオを思いのままに演じるのだ。
彼氏も主演、彼女も主演。二人のシナリオ、それぞれのシナリオが交錯しながら、笑顔の時間が次々に生み出されていく。
芦ノ湖の龍神様が求める平穏な姿がこれなのかもしれない。
明るい表情に明るい笑い声。
そしてありがとうございます!とこだまする温かい声。
人だからこそできるこの温かい時間、傍からファインダーを覗く自分も温かい気持ちになった。
「こうだよね。やっぱりこうじゃなきゃね。」
「まだまだ捨てたもんじゃない。」
お日さまの柔らかいだいだい色が木々の合間から差し込み、楽しい一日もそろそろ終わり。
龍神様、明日もいい一日になりますように。
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