【レビュー】『はじめよう中国語音読 初級編』ってどんなテキスト?効果的な勉強法も紹介
こんにちは、中国語コーチングthe courageでコーチをしている伊地知(@taroijichi)です。
今までカリキュラム作成のために100冊以上の文法書に目を通してきましたが、そうした経験も元に、みなさんが「買ってみたいけど、どんなテキストなんだろう」と気になるテキストについて、私も気になるので、レビューをしていきたいと思います。
今回レビューするのはこちら!
どんなテキスト(教科書)なの?
中国語は発音が大切だと言われますが、その指導方法の多くは単語単体での発音指導に偏りがちです。単語単体できれいに発音できることは絶対に必要なのですが、このテキストでは、それに加えて、文で読んだ時の自然さを大切にしています。
そして、文で読んだ時の自然さを出すために、このテキストでは意味のカタマリ(チャンク)毎に読むということをおすすめしていますし、チャンク毎の音源も収録されています。
ここからはの具体的な特徴を説明していきますね。
特徴①発音部分は動画とセットで練習がしやすい
テキストはPart1〜Part4に分かれていますが、その前に「ウォームアップ準備体操」という項目があり、そこで「❶声調❷音節❸チャンク」について学びます。
こうした発音などの音声に紐づいたトレーニングは、音源がついていてもわかりにくいことが多いのですが、このテキストはYouTubeの動画と連動させることで、そのわかりにくさを解消してくれています。
こちらは実際の動画です。先生優しそうですね!
特徴②音読トレーニングを意識した絶妙な文章量と内容
文章量は1つの文章が80字程度で、全部で60編収録されています。この80字にしているのは、1回の音読がしやすいようにと考慮されている量です。
ザックリいうとテキストの1ページの半分に満たないくらいの量なので、見た目には少し少なめに感じるかもしれませんが、ネイティブらしい話し方を意識し、何度も反復して声に出すことを考えると、この文章量はとても良いです。
また、内容としても以下の通り初級者にとって必要な内容について幅広く触れられているので、不足を感じることはないはずです。
Part1:自己紹介について
Part2:趣味や仕事について
Part3:生活や食事について
Part4:健康やファッションなどについて
特徴③巻末にはチャンクトレーニング素材つき
巻末には「チャンクトレーニング400+」という、本文から抜粋された短い意味のカタマリのフレーズ集がついています。
これらをちゃんとカタマリで音読する練習をすることで、このリズムから外れると気持ち悪いと感じる状態に持っていくことができます。
これは意味のカタマリとして捉えるという効果の他に、単語を文で覚えようという効果も狙っているということです。その効果を狙う場合は、一度本文の音読を終えた後に取り組むと良さそうですね。
また、一度文でチャンク読みをマスターしても、忘れないようにこの「チャンクトレーニング400+」で復習をするというのも効果的です。
もっとこうだったら良いのに
本当に強いて言えば、全文通しでの音源と、チャンク分けの音源がそれぞれ別トラックであると扱いやすいかなとは思いますが、トレーニングするうえで、アプリなどを使えば気になりません。
おすすめアプリはこちら
こんな人におすすめ
・HSK4級合格相当以上の方(基本的な文法知識がある方)
・学習歴が半年以上だけど、発話がすごくたどたどしいと感じてる
・1つ1つの単語の発音はできているのに文になると不自然になる/不自然だと指摘される
このテキストは単語や文法を身につける(インプットする)ことを目的とはしていないので、まずは基礎知識をインプットして、その後に使うとより効果的なアウトプット向けのテキストです。
また、こうした文をたくさん読む「多読」は自分が少し易しいと感じるレベルのものを選ぶと効果的と言われています。もっというと、チャンクで読むという目的があるテキストなので、わからない単語や文法が多いと感じてしまうと、そこが気になってしまい、本来の目的であるチャンクの意識がしにくくなるので、しつこいですが、まずは基礎単語・文法のインプットを行ってからが良いです。
基礎単語・文法を身につけるため、HSK4級に合格するための方法はこちらをご覧ください。
効果的な勉強方法
もしthe courageでこのテキストをカリキュラムに入れるとしたら、HSK4級合格の後、スピーキングとリスニングを強化するコースで取り入れます。スピーキング強化では『改訂新版 口を鍛える中国語作文-語順習得メソッド【初級編】[音声DL]』などを使って、短い文を瞬間的に口から出せるように、中国語作文を行います。
これがある程度できるようになったら(重複するタイミングで)少し長い文章のスピーキングやリスニングを導入すると良いので、こちらのテキストを使用し、スピーキング及びリスニングを鍛えます。
おすすめの勉強方法としては「精読→チャンク読み→シャドーイング(2段階)」です。具体的な方法についてはこちらの記事をご覧ください。
『[CD2枚付] はじめよう中国語音読 初級編』ぜひトライしてみてくださいね!
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