「コーチは褒めてはいけないんでしょうか?」に答えてみた
こんにちは、語学学習コーチの伊地知(@taroijichi)です。(自己紹介についてはこちらをご覧ください。)
さて、私の語学コーチングセッションを見てくれた語学学習コーチから以下のような質問がありました。
今回はこの質問への回答がもしかしたら他の誰かの役にも立つかもと思い、少しこの場でまとめておこうと思います。
この質問の回答については、各コーチ、あるいはコーチング流派の考え方などによって変わるので、正解があるわけではありません。ただ、結論として、私の考えは語学コーチングにおいては、意識的に褒めるのは大アリという考えです。
そもそも何でこんな質問が出てきたのか、コーチングに触れる機会が少ない人はピンとこない可能性が高いので少し補足をしておきます。
一般的な“コーチング”では、セッションの中でコーチの価値観を伝えるのはNGで、あくまでもクライアントの価値観に寄り添う必要があると言われることが多いです。そして、“褒める”や“叱る”という行為は、コーチが自身の価値観に照らして、それを“良い”“悪い”と感じた時、それを伝える行為なのでNGとされることが多いため、質問をしてくれたコーチはちょっと困っているということです。
(こういうことを真剣に考えて質問をしたというだけで、もう何かすごい素敵なコーチだなって感じがしますよね。真剣なんですよ。震える…でも震えてる場合じゃないので先に進みます。)
つまり、褒められて嬉しいから頑張るというのは、コーチの価値観に沿うように頑張るということになるので、そういう意味では自分の価値観に沿った行動を取っていないので、軸を失い良くないというケースもあります。
ただ、私が考える(the courageの)語学コーチングは語学学習にコーチングの要素を取り入れているというものなので、コーチはいわゆる“コーチ”としての役割だけでなく、語学学習の専門家の役割も担います。(通常コーチングにおけるコーチはクライアントのいる業界の専門家であることは求められないことが多いです)
また、語学学習の一歩先をすでに歩んだことの有る先輩やメンターの役割を担うこともあります。
the courageの考える良いコーチについては、研修資料の中でも以下のように定義しています。(これはあくまでもthe courageの考える“良いコーチ”なので、色んな考え方があるはずです)
そして、語学学習者の視点で考えると、語学学習コーチ(語学の専門家だったり、メンター)の価値観・物差しで見た時、自分が今どんな課題を持っていて、どういう状態にあるのかを知るというのはとても大切なことです。また、それを知りたいと思って受講をしているという方もいらっしゃいます。
そういう意味で、少なくとも語学コーチングにおいては、その専門家の価値観を伝えるということを意識して“褒める”というのも“叱る”というのも必要だと考えます。“褒める”だけでなく“アドバイスする”も同じですね。
ここでとても大切なのは、今自分がどの役割を提供しているのかを意識することで、セッションのパフォーマンスを最大化すること。
コーチをしているつもりが先生になっていたり、先生をしているつもりがメンターになっていたり、自分をコントロールできていない状態ではセッションのパフォーマンスを最大化することが難しくなるので、避けたいです。(これがすごく難しいけど)
なので、改めて結論として、私の考えは語学コーチングにおいては、意識的に褒めるのは大アリという考えです。
むしろ、意識的に先生になって“教える”ができたり、コンサルになって“課題の把握と解決策の提示”などもできることが語学学習コーチには求められると思います。なので、自分の持っているリソースをフル活用して、クライアント(受講生)のためにできる最適なセッションを提供するのが良いかと思います。
少し長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございます。