【創作SS】壁持ち強襲女 #毎週ショートショートnote

 仕事から帰る前に、壁を持つように壁の前で過ごすようになり三十年近くなる。
 冷たい秋風が吹き抜け女はコートの襟を立てた。

 あの日は暑かった。二人の子どもといつものように公園に出かけ、いつものように一人でアイスを買いにいった。
 その僅かな時間に、子どもと女の間に警官隊とバリケードが立ちふさがった。
 突貫工事で壁が建ち、子どもたちとは会えなくなった。

 何故、自分は目を離したのか。
 何故、傍に居てやらなかったのか。
 子どもたちは食事をしているだろうか。
 元気でいるだろうか。
 笑って過ごしているだろうか。
 女が自分を責めても壁は建ち続け、女は子どもを待ち続けた。

 いつもと同じように何も無いまま女が帰ろうとした時、壁の向こうで雄たけびが上がった。
 突然、幾人もの若者が壁を乗り越え、女の街を強襲した。

 1989年11月9日 ニュースを勘違いした若者たちの手でベルリンの壁は崩壊した。

 女はニ十八年振りに笑顔でわが子の手を持った。

(本文ここまで)
 たはらかにさんの【毎週ショートショートnote】 裏お題【壁持ち強襲女】に参加です。
#毎週ショートショートnote
#壁持ち強襲女

 猫を強制的に締め出し、強襲的に朝から参加です。
 コメントはスマホからも参加できるのですが、創作はPCからじゃないと駄目なので、

 こんな感じで猫にPCを占領されていると、なかなか創作(執筆)が出来ないのです。
 しかし、
・今日は木曜日なので「シロクマ文芸部」のお題も出るはず。
・二日間も投稿をお休みしている、このままじゃマズイ。
・えー-い、仕事に行く前に参加しよう
ということで強襲的に参加しました。

#何を書いても最後は宣伝
 私見ですが、国が犯す最大の罪は「戦争」だと考えています。
 また、戦争に至らないまでも「国による罪深い行為」はあり続けると感じています。そんな気持ちを作品として昇華したのが、この「スプラウト」です。


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