重なる世界(アフターサービス)
本稿は「題名のない物語」をお読みいただいた方への、アフターサービス投稿になります(黎明奇譚も読んでいただくと、さらに楽しんでいただけます)。
「題名のない物語」という作品の舞台は東京ですが、「年代」については、作中では明らかにしていません。しかし、終盤で「三日後に故郷にあるワイナリーから12月1日付けの採用通知が来る」という場面が、実は、ぼんやりと時期的なものを示唆しています。
この場面で、木元の故郷である郡山市には「ワイナリーがある」ということになります。WSSのカーテンコールRで記載していますが、木元の再就職先は「黎明奇譚」で誕生した「元宮ワイナリー」という設定です。
実は「黎明奇譚」も「名前のない物語」、「フロンティアミッション」は全て、同じ世界観、同じ時間軸で動いています。基本的には2014年4月から2016年3月の物語です。逆説的に考えると、「元宮ワイナリー」が誕生しなければ、木元の再就職先もなく、木元が地元で再就職できなければ、二人のハッピーエンドも無かったことになります。
「元宮ワイナリー」誕生に尽力いただいた、大沼係長、五友物産の皆さんありがとうございました。あなた方のご尽力により、幸せな恋人たちが1組誕生しました。いずれ幸せな家族になることでしょう。
ということで、木元が故郷で再就職したいと考え、西野が応援したいと感じた背景には「東日本大震災」があります。「名前のない物語」に影を落としたくなかったので、あえて書かないようにしていましたが、無事にハッピーエンドになりましたので、今般公表した次第です。
また、リアルな世界との重なりということで言いますと、「黎明奇譚」に登場する「相馬課長」と「題名の無い物語」に出てくる「塚原課長」のモデルは、同じ人物になります。演出的な理由で、相馬課長と無印の塚原課長を「ハラスメント気味」に描いてしまいましたが、モデルの課長は良い人なので、「WSS」でフォローできて良かったです。
フォローと言えば、「紫蘇」も無印での「唐突感」をWSSで回収してもらえて良かったです。ほんと、この辺りは西野様様です。総じて作者の至らなさを西野がフォローしてくれました。
しかし、その西野でさえもフォローアップできなかったのが「木元は壊滅的に歌が下手」という話です。まさに救いようが無いくらい「下手」ということになります。
なお、この「歌が下手」という点についての、現実世界のモデルはもちろん、私、福島太郎ということになります。ただ、僕は木元ほど「ヘタレ」ではないと自分では思っています。