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【創作SS】幕があがる #会津ワイン黎明綺譚 外伝 #毎週ショートショートnote

 会津風雅堂の椅子は小さい。体を詰め込むようにして椅子に体を押し込んだ。まぁ、椅子が悪いんじゃなく、俺の体が大きいのかも。

 開演10分前、客席はパラパラで寂しい。高校演劇部の舞台なんかを観たい客がそんなにいる訳もなく、OB、親族、友達が義理で観にきているんだろうな、とは思う。
 ザッと見た感じ、一人で来ているのは俺だけのように見える。他の観客は2~3人で来て、楽しそうに話をしている。

 俺の柔道仲間は道場で汗を流しているし、良樹は前の方で男女の中心いる。

 幼馴染で、こ、恋人の智恵子は、舞台の袖にいる。

 俺は客席に一人でいるけど、独りじゃない。
 智恵子の笑顔と言葉を思い出す。
「舞台は役者、スタッフ、観客で創るの。だからちゃんと観に来てね」

 ブザーが鳴り響き、アナウンスの声が流れる。
 カフェオレを口にして時計を見た。開演まで4分33秒。
 客席の話し声が止む。

 俺たちは、どんな物語を創るのか。 

 幕が上がる。

(本文ここまで)

#毎週ショートショートnote
お題【カフェ4分33秒】に参加です。
【続きwebで】ではなく【続きはkindleで】です。元ネタの「会津ワイン黎明綺譚」はこちらです。

#何を書いても最後は宣伝
#地には平和を人には愛を

8月下旬からnote街での活動が低迷している福島太郎です。
キャンディーズの名曲風に言えば
『創作意欲が出てこない』
という感じでした。
 本日は「にっこりみかんさん」の、この作品からいただいた「キュン」をエネルギーにさせていただきました。

 にっこりみかんさん、ありがとうございます。

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福島太郎@kindle作家
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