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【駄文】ルルの系譜
「光流るる阿武隈川」という作品で、登場人物の名前以上に頭を悩ませたのが、「お店の名前」です。「夢見る木幡山」は「リアル・事実・実名」でしたが、今回はいつものスタイルに戻して「空想と現実のミックスジュース」(空想率90%)くらいの感覚で、いくつかの地名・施設名・著名人などの名前は登場しますが、基本的には架空の人物と架空の出来事です。リアリティを感じていただくために、隠津島神社・阿武隈漕艇場・戸田漕艇場という名称は、リアルなままです。ストーリーと直接関係無いですが、横浜シルクセンターの名称も使います。
また、出来事として、「ふくしま国体」、「東京オリンピック」などは、そのままの年代で使います。問題になったのは、空想パートで、主人公が木幡で経営することになる店名です。
モチーフにしているのは「木幡ベース」というセレクトショップで、主人公もこちらの経営者の方をモチーフにしています。ただ、今回は、実際の人物・店とはかけ離れた描き方をするので、店名をそのまま使うわけにはいかないと考えました。
どんな店名が良いだろう。語彙力が無いため難産でした。最初は「木幡キャンプ」、「シャイニー木幡」「ビヨンド木幡」とか、完全に迷走していました。お洒落なエッセイストから遠い存在「ダッセイヒト」である私でも、流石にわかります「こりゃ駄目だ」状態です。
そして、並行して「題名」でも悩んでいました。
光が作品の大きなテーマなので、光という文字を使いたい。
また、木幡山と対にする形にしたいので、阿武隈川を入れたい。
「夢見る」のシリーズだから「る」を入れたい。
ということで最初に考えたのが、『光流れる阿武隈川』でしたが、正直イマイチ。意味はわかるけど、直球すぎてツマラナイ。「ナンカソウジャナイ」で、ふと思いついたのが
『光流るる』なら、いい感じかも。「流れる」より、格調高い雰囲気がある。調べてみると古語だけど日本語の用法としても有りらしい。
そして、新たな天啓です。
「ルル」を、店名に使えないかな。
ルルに、どんな意味があるだろうと調べました。この辺りの着想力については、正直、自分でも驚きます。
頭の中では、古いアニメ「花の子ルンルン」の主題歌が流れます。
♪ルル ルンルンルン ルル ルンルンルン ルル ルンルンルンルンルーン
たいていの場合は、こういう発想は「あんた馬鹿ァ」と思われることがほとんどなのですが今回は成功しました。
LULU=素晴らしい、という意味があるらしい。
ということは、店名は「LULU KOHATA」で良いんじゃないですか。
良いではないか、良いではないか、カンラカンラという感じです。
この名前が決まりましたので、LULUを店名として使うために、相応しいエピソードを創作し、空想に拍車がかかりました。
ここから、一気に物語の光が見えました。
さぁ、新刊発売まで、あと数日の見込みです。
まだ、こちらをお読みでない方は、是非おススメです。
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