【駄文】リアル&リアル
拙著「夢見る木幡山」は福島太郎として6冊目の電子書籍になりますが、これまでの作品と大きく異なることがいくつかありまして、一つは明確に「現実に即した内容」というリアルと、そしてもう一つ「リアルタイム」ということがあります。
それ以前の作品は、基本的に「過去」の出来事や経験をベースに空想を組み立てて物語を紡いでいますが、今回は「隠津島神社さんの現実の取組」と「令和3年」という時間に拘りました。そのため、執筆を始めた早い段階で、「令和3年のうちに発刊したい」という想いがありましたので、実現することができて安堵しております。
先日、酎愛零さんが、面白いコメントを残してくれました。酎さん、あらためて御礼申し上げます。以下、引用します。
作風の振り幅が大きいので、正直言って、「福島太郎という名前のグループかな?」と思うほどでした!
何と嬉しいことを書いてくれるのか、こういう感性・表現力に敬意を抱いています。
今では各著作に共通する福島太郎節を感じ取れるようになりましたけどね。
とも書いてくれました。何と嬉しいことを書いてくれるのか。実は私の作品の構造は単純です。福島太郎節があるとすれば「理不尽を前に、未来を夢見てあがく主人公」というのが、共通の軸となります。タグで良く使う「かこに感謝し未来を夢見ていきていく」ということを、時代や舞台を変えて描いていることになります。
初期の「お仕事三部作」では、無茶ぶりされた仕事を前に、巻き込まれた主人公はヨロヨロしながらも逃げずに立ち向かいます。黒田製作所物語は戦争と東日本大震災、夢見る木幡山では戦とコロナ禍という理不尽があります。そして、恋する旅人も背景には「東日本大震災」がありまして、木元という人物はそれ故に故郷に帰ろうとしています。それぞれが、それぞれの理不尽に対し、自分の持てる力で立ち向かおうとします。そして、必ずそれを支えてくれる方がいます。
また、私の作品は「悪い人」が登場しません。役職、立場的なものから、理不尽にも見える言動をする方もいますが、基本的に「いい人」しか描けないのです。多少、手を変え、品を変えしていますが、大前提として私が「いい人」なので、生みだされる登場人物も、そこから離れることができないのです。
ただ、私の場合は「いい人」の前に、「どうでも」とか、間に「加減な」が入るとは言われています。このネタ、リアルなトークでも良く使うのですが、何故かほとんどの人が
「そうですね」
と、納得するばかりで、否定してくれないのが少し不満ではあります。
令和3年も残り僅かとなりました。が、先日、ある方が記事で書いていた「新しい年への準備期間」という考え方に賛同しています。
令和3年は「恋する旅人」、「黒田製作所物語」、「夢見る木幡山」という三作品を残すことができました。売れ行きはともかく、この結果には満足しています。未熟ではありますが、どの作品も持てる力を発揮したと自負しております。しかし、
まだだ、まだ、終わらんよ
という気持ちもフツフツしております。今年一杯は「夢見る木幡山」の余韻に浸りつつ、新たな作品の構想をモンモンと練りたいと考えております。
リアル系か妄想系か、ジャンルは何にするか、ボヤンボヤンと考えています。大きなスケジュール感としては6月末までに1冊発刊できたらというところです。
商業作品や職業作家への憧れはありますが、自費出版・Kindle作家の有難いところは「好きなことを 好きなときに 好きなように書く」ことができるところですね。
多分、また、軸は保ちつつ、今までには無い方向に疾ると思いますが、今後も見放すことなく、引き続き遊んでいただきますようお願いします。
なお、個別に申し上げず失礼かとは存じますが、amazonで「夢見る木幡山」の評価やレビューをいただきました皆様、心から感謝を申し上げます。