【創作SS】学校のカイダン4 レジェンド(終)
「佐藤先生、質問」
1年2組の女子生徒が、駆け込むように職員室に入ってきて質問してきた。
「うちの学校のOBだよね、先生の頃も「愛のカイダン」の話はあった?」
「愛の階段?何だそれ?」
「昔、西のはじっこにある階段で、1年の女子が先輩に告白して付き合うようになった話」
「いや、そんなの校舎裏でも体育館も、どこにでもある話じゃないか」
「それが、違うの。それを見ていた男の子がショックで階段から落ちて死んじゃったの。けど、何故かその死体は消えてしまって、今も見つかってない。で、それ以来、その階段で告白して上手くいくと、階段の下から血まみれの男の子が、恨めしそうに見ているんだって」
「何だそれ?ちょっと話が頓珍漢過ぎないか。階段から落ちて死んだけど、死体が見つからないとか、おかしいだろ」
「だって、そういう話なんだもの。私に言われてもわかんないよ。けど、先生が全く知らないってことは、割と最近の話なのかしら」
「まぁ、俺が学生の頃は、聞いたことないな。ただ、ちょっと確認するけど、もしかして、告白して付き合うようになったという、最初の二人の名前、「武志と絵里」か」
女生徒は明らかに動揺した表情を浮かべた。
「先生、知ってるんじゃない」
「だとしたら、
階段から落ちて死んだ男、
死体の見つからない男って
俺のことだーーーっ!
って、死んでないから」
(本文ここまで)
ようやく、階段から怪談オチにたどり着きました。
お付き合いいただきました皆様、ありがとうございました。
まさか、こんなオチになるとは。
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