黎明奇譚というタイトルについて
この物語、自分の忘備録として作成した際の題名は「福島太郎が元宮ワイナリーを好きな理由」という感じでした。そこから「元宮ワイナリー コトハジメ」→「ミラクルミッション」→「黎明奇譚」と、内容とともに題名も「変態」を繰り返しました。
書籍版の原稿に移行する過程で「奇跡のような軌跡を重ね」という表現を削ることになり、「ミラクルミッション」という題名を変更することになりました。
という背景があるのですが、この「黎明」「奇譚」という言葉、どちらも耳慣れない言葉と思いますが、かなりお気に入りです。ということで説明させてください。
1 「黎明」というのは「夜明け前」のことになりますので、ワイナリーが設立される前の話という内容と合致することになります。
2 郡山市役所の所在地は「朝日一丁目」になります。朝日よりも前、市役所(朝日)における公式な業務として動き出す前という意味も込めています。
3 黎明というのは「逢魔が時」に通じる時間帯です。この時期にモソモソと怪しく蠢く主人公という意味も込めています。
4 最後は少し強引ですが「逢魔」で始まり「逢瀬」(モデルとなるワイナリーの所在地)で完結するお話であり、人と人との出逢いが奇蹟のような軌跡を生んだということもあります。
5 郡山市内に安積黎明高校がありまして、その卒業生である職員が主人公を支えたという設定であり、その感謝もあります。
そして、奇譚は「不思議な話」という意味になりますので、このあり得ないような物語を象徴する言葉として使わせていただきました。ミラクルを日本語にすると「奇跡」となりますので、奇を残したことになります。
漫画家の尾田栄一郎さんが描く「ワンピース」では「伏線」が良く話題になっていますが、太郎は「伏線」のようなものが大の苦手です。そのような緻密な作業や設定を考えることなく、ノリと勢い物語を綴ることが多いです。
ただ、ギミック(仕掛け)とか暗喩、ダブルミーニング、駄洒落とかの言葉遊びは大好きなので、言葉を選ぶ時に、ギミックがある方を選ぶことが多いです。
最近の投稿で言えば、この黎明奇譚のテーマ曲として「Diamondsが止まらない」という稿を上げました。
これは本当のことであり、この曲と主人公の心情も合致するイメージなのですが「ダイヤモンド」には別な意味も隠されています。「固い意志で成し遂げた」とかではなく、かなり直接的な意味であり、この稿に出てくる「Mも好きです」も暗喩になっています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。また、遊びにきてください。