【創作大賞感想】 ギリシャの青い鳥(エウレカ 私は見つけた)
まだ完結していない作品の感想文を書くというのはいかがなものかとも思うのですが、
『この作品をもっと多くの方に読んでいただきたいのです』
という思いが溢れてきましたので放流させてください。
作品の感想を述べる前に、作者の「ふわりっちさん」の自己紹介欄から抜粋します。
・定年退職した元小学校職員
・海外旅行が大好き
・趣味はクラシック音楽鑑賞と英会話
ということで、何だか上品な方と感じます。私とは別世界の方と接点が生まれるnoteは不思議です。
そんな「ふわりっちさん」が描くファンタジー小説「こことは違うどこか別のところへ」がこちらです。
舞台はギリシャということで、欧州の映画を観ているように、淡々と比較的穏やかに主人公の日常が描かれています。
「あれっ、ファンタジー小説部門ですよね」
「義理と人情の世界ですか」
「剣も魔法も出ないですね」
ということで、いくつかのギリシャ料理も登場しますが、お話に刺激的なものや派手なものはなく、私の感想としては
「和食のような滋味豊かな味わい」
でして、旅行から帰り四畳半の部屋で服を脱いでゴロンとした時の
「やはり自宅は良いなぁ」
という安心感、心地よさを感じています。大人向けに設定や伏線をドロドロ・グログロとしたりアクションなどを駆使したエンターテインメント小説ではなく、さながら小学校の道徳の本で読む物語のような、懐かしさと優しさを感じます。
作者が子どもたちや悩める大人たちに伝えたい「優しい想い」をお出汁のように活かしながら物語として作り上げたような作品という印象です。
『大人のための青い鳥の物語』
というコピーをつけたくなります。で、まぁ僭越ではありますが、私が模索している世界とも重なり、嬉しく有難く拝読しており
『この作品をもっと多くの方に読んでいただきたいのです』
という気持ちを抱いています。
拙著「会津ワイン黎明綺譚」にはこのようなセリフがあります。
「この前智恵子が教えてくれた。幸せの青い鳥は探すものじゃないと」
「そうです。智恵子さんは旅をしてそこに気がつき、譲二さんは青い鳥が戻ってきたんですから、今度こそ逃がしちゃ駄目です。ちゃんと捕まえてください」
この「エウレカ 私は見つけた(旧タイトル こことは違うどこか別のところへ)」の主人公も同じような状況に置かれるように感じています。
そして、この状況というのは主人公だけではなく「読者への問いかけ」であるような印象も抱いています。ギリシャを舞台としたファンタジーでありながら、物語は鏡のように読者に問いかけてきます。
道徳の教科書を読んだ後
「主人公の気持ちを考えなさい。あなたが同じような状況ならどうしますか」
ということに近いです。
作者の「ふわりっちさん」はどのような答えを出すのか。
「会津ワイン黎明綺譚」の主人公はどのような行動に出るのか。
是非、お確かめいただきますようお願いします。
#何を書いても最後は宣伝
美しいギリシャも素敵ですが、美しい銀山町もご覧ください。