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上野東照宮ぼたん苑 その2(太郎編)

 2月21日22日に訪問しました「上野東照宮ぼたん苑」の続きです。サムネ画像「天衣」のアップの画像です。

天衣

 通路から植え込みに入らないように、身を乗り出して撮影します。接写すると、一層、花びらの軽やかさを感じます。

 周囲にいらっしゃる写真愛好家のように見える方々は、立派なカメラを持ち、ある方は小さな椅子も持ち込まれていました。ピントを合わせる姿が、画になります。
 私はスマホでピロロンと手早く撮影して、次に向かいます。

紅白梅

 再び、梅の鉢植えです。土台の巨石、鉢の藁囲い、そして紅白の梅の配置。白梅はギュッと寄り添うように、紅梅はさらりと離れた位置で花を咲かせています。自然な姿のようであり、巧を感じる姿に、胸がキュッとなります。

花香実梅

 根元には「花香実梅」との札があります。美しく花を咲かせるだけではなく、香と実も楽しめるのでしょうか。一石二鳥どころか、三度美味しい品種なのでしょう。
 ちなみに、鉢の上に木片を配置しているのも、防寒対策なのでしょうか。
 ぼたんと梅の開花を合わせる技術というか英知にも感心してしまいます。

大八車と植え込み

 そして、植え込みです。そうそう、後ろに塀がありますが、何となく
「この塀の高さより下に花を配置しています」
 という「裏ルール」を感じます。勘違いかもしれません。それにしても、センスを感じる配置です、お見事です。逆光で変な光が入りすいません。
 無機質で役目を終えた「大八車」を見事に活用して花木を配置しています。美しさだけではなく、命の輝きもここに集合しているようです。

牡丹

 ようやく入口から正面の通路を終えて、逆方向に折り返します。冬牡丹が続きます。牡丹の隣には「俳句」の立札があり、屋根の先には五重の塔と青空が見えます。敷地的には小さな「ぼたん苑」のように感じますが、花や展示物の配置、借景の技術からは、技術や伝承、時間の持つ奥深さ、集合知の重なりを感じます。花の品種改良、展示方法など、長い年月をかけて積み上げてきた意志に畏怖してしまいます。 

あんず?
あんず?(その2)

 50余年生きてきて、小さな苗の名を知らぬ我が身を嘆くことになります。
「花の名も知らず 鳥の声も聴き分けられず」
 それでも、この命を生かしていかなければなりません。無い物を嘆くのではなく、今こうして「ぼたん苑」の存在を知ることができ、花を愛でる時間があり、この場に導いていただけた御縁に感謝して、一旦筆を置きたいと存じます。
#かこに感謝し今を受け入れ未来を夢見て
#何を書いても最後は宣伝
 サムネ画像で使用した牡丹「天衣」と言えば、『光流るる阿武隈川』ですね。こちらです。

 こちらの作品には「女神の衣」という「機械織りで世界一軽い絹織物」という架空の絹について挿話があります。登場人物の言葉を借りれば
「小手姫が川俣に養蚕技術を伝えてから1400年以上、川俣の職人は技術を磨き続けている。その途中に、俺やお前がいただけだ」
「これからも技術の研磨を頼む」
ということになります。
 そう、私は私として私なりに研鑽を重ね、次代の糧になれば良いのだろうと思います。花や鳥を知らずとも、著作が売れないまま土に還るとしても、土は土として、太郎は太郎として命を咲かせればよいということを、艶やかな花たちに教えられたようでした。

 さて、光流るる阿武隈川の「あとがき」は「酎 愛零」さんに書いていただきました。あとがきとかだけでも読んでいただけたら、嬉しいです。
 拙い文章と写真ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
 多分、もう1回くらい続きます。お付き合いいただけたら、さらに嬉しいです。

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