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創作大賞感想 #猫ケ洞の王さま

 作家の夢枕獏先生がラクガキング寺田克也先生に贈ったとされる言葉に
「寺田よ、どうしてお前はそんなに画が上手いのだ」(ウロ覚え)
というものがあると何かで読んだ気がします。
 「猫ケ洞の王さま」の作者へいたさんにも同じような言葉を贈ります。
『へいたさん、どうして貴方はそんなにお話づくりが上手いのだ』

 お名前に「へいたーショートショート」とあることからも推察できると存じますが、へいたさんは「短いお話」を創作するのがとても上手です。特に温かくてホッと一息つけるような作品、珈琲とかお茶とかお味噌汁のような味わいの作品がとても上手なのです。

 今回はファンタジー小説部門ということで、2万文字を超える作品に挑戦されました。舞台は名古屋市、主な登場人物は図書館職員、時は現代。言葉は悪いかもしれませんが、ちょっとくたびれた図書館勤務の女性が主人公です。
『これでファンタジー小説が成り立つんですか?』
とツッコミを入れたくなります。また、あらすじが「オチまでの完全なネタバレ」なので、作品を純粋に楽しみたい方はあらすじを読まないか、すぐに忘れた方が良いとは思います。
 けど、まぁあらすじを読んでしまったとしても、無駄無く読みやすい、ちょっとシットリした感じの文体は、読者を「へいたさんの世界」に自然に誘うことでしょう。

 ちょっとくたびれた主人公に共感し、一緒にオロオロしたり泣きそうになったりオロオロしたりくたびれたりすることになると思います。
 そしてファンタジーの主人公ですから、敵と対峙することになります。果たして名古屋の図書館員である主人公は、どんな敵と戦い、これを退治することになるのか。ピンチに立ち向かう主人公を救う勇者や賢者は現れるのか。是非、お読みいただいて確かめていただければと存じます。

 あ、タイトルに「猫ケ洞」とあるとおり「猫」がキーワードになります。神社も登場します。そうすると、こちらで紹介したミーミーさんの「ごきげんとり」と設定が少し重なる気もしますが、展開は全く異なりますので、猫好きな方は読み比べるのも面白いかもしれません。

 話が脱線しましたが、「猫ケ洞の王さま」は名古屋という場所の設定を実に巧みに使い、少ない登場人物にしっかりとした背景を持たせることで、ファンタジー小説でありながら、謎解きのような面白さも含んでいます。
 ショートショートの名手ですから、とても読みやすくテンポ良くお話が進みます。全9話で飽きる暇が無いままに読み終わります。
 連載で投稿されている間、ほぼ投稿された日に拝読していました。なるべく執筆の邪魔をしないようにコメントを控えるようにしていましたが、第8話では我慢できずに、コメントしてしまいました。
『へいたさんのお話は面白いですなぁ』
と、そして最終話まで読み終えた感想として
『へいたさん、どうして貴方はそんなにお話づくりが上手いのだ』
という言葉に頭の中を占領されてしまっています。変なネットワークに繋がっている訳ではないのですが、言葉が出ないくらい上手なお話でした。

#何を書いても最後は宣伝
 私はこの企画参加記事でも「へいたさん」を推しています。

 この記事をわざわざ読みに行く方はいないと思いますので、一部引用しますと

 何のエビデンスもありませんが、私がnote街で3年半過ごす中、
「いや、あなたプロじゃないんですか。なんでここで遊んでいるんですか」
と感じたのは「へいたさん」と「ikue.mさん」になります。

 そのくらい「へいたさん」はお話づくりが上手なのです。


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