テレビ局に入るために発想力は必要か?
以前、就活生の方からブログに来た普遍的とも言える質問に答えたものを再編集しました。
以下、太字が質問です。
あなたが御社に入ってやりたいことはなんですか?
という質問に対して、どれだけ具体的に答えればよいのでしょうか。
また、そこには、やはり発想力が求められているのでしょうか。
というのも、私はバラエティ制作を志望しています。
もちろん、世の中に笑いを届けたい、それだけ笑いには価値があると信じているのですが、面接ではそういった思いを伝えるべきなのか、それともそこから生まれる番組企画を伝えるべきなのでしょうか。
また、そういった中で、私自身も企画を考えるのですが、どうしても、既存のものになってしまったり、今まであったものになってしまい、中々新しく、斬新な企画というものが思いつきません。
世の中に笑いを伝えたいと思っているのに、その中身が思いつかない自分自身がとても悔しくもあり、制作の場には向いていないのではとも考えてしまいます。
もちろん素人ではあるので、プロの方には遠く及ばないと思うのですが、テレビ局が求める人材、また制作会社が求める人材というのは(バラエティ志望)、企画力も必要になるのでしょうか。
それに対する自分の返信は以下です。
まず、今から書く答えはあくまでも私自身の答えであって、それは普遍的な解答にはなり得ず、これを鵜呑みにする必要は無いということを前提条件として読んでみて頂きたいです。
そもそもここで言われている「発想力」とは何でしょうか?
どんな人が「発想力がある」人なんでしょうか?
例えば「アメトーク」の企画を発想することは、「発想力がある」ことになるんでしょうか?では、「スカッとジャパン」は?「金スマ」は?いわゆる今人気番組と呼ばれている番組を思いつく、それが「発想力」の基準でしょうか?
質問文には、「既存のものになってしまったり、今まであったものになってしまい、中々新しく、斬新な企画というものが思いつきません。」と書かれていましたが、ある意味学生時点でのそれは”当たり前”で、それで落ち込むことはないと思います。
アメトークが50年近くあるテレビの歴史の中でエポックメイキング的なトーク番組になったのも、様々なトーク番組、バラエティー番組の歴史があったからこそ、そこに「新しさ」を創出でき、視聴者は「感じる」わけです。
長くてもほんの数ヶ月「テレビに行きたい」と息巻く就活生が、ちょっと考えたくらいで「あっ!これは良い企画!革命的!」みたいな企画が出てくるんでしょうか?
試しにバラエティ好きの友達と話してみて下さい。
きっと革命的な企画はそんなに簡単に生まれないはずですし、みんな似たり寄ったりの「尖った」企画になるはずです。
そりゃもちろん、世の中色んな人がいますから、テレビ界のピカソみたいな天才が現れて、圧倒的な想像力を持ち合わせ、面接でテレビ局の面接官が驚愕するような企画をプレゼンする「可能性」も無くは無いでしょう。
でもそんな可能性なんて誰が考えても数%も無いでしょうし、就活生を迎え入れる企業側も「今日はピカソ並みの天才来るかな?」なんて胸躍らせて待っていません。
つまり、「奇跡的な発想力」など期待していないということです。
いや、こういう極論的な書き方をするとうがった見方をする人もいるので、一応解説しておくと、もちろん「奇跡的な発想力」を「求めていない」
わけではありません。
そんなのあるに超したことありません。商社を受ける際の「英語はしゃべれた方が良いですか?」と同じ次元の質問です。
「そりゃしゃべれた方が良いよ。」ってことです。
でもしゃべれなくても合格できる可能性はあります。
TOEICを受けたこと無くたって合格できる可能性はあります。
(参照『就活のための就活』)
それはなぜか?
「発想力」という観点だけで、あなたを評価していないからです。
奇しくもというべきか、現行の就職活動の面接のベースはあくまでもコミュニケーション能力を測る場です。
テレビ業界の就活で言えば、いかにあなたが「テレビを好きか」、「テレビ局で働きたいか」そんな情熱を伝えられるか?そのコミュニケーション能力が必要とされていると思います。
そしてその情熱を支えるために必要な基礎面接能力は、ざっくり以下にまとめられると考えます。
●椅子に深く腰掛けない⇒少し前のめりくらいで
●失礼します、とか、ありがとうございました、
とか、ノウハウ本に書いてあるような基本的挨拶は当たり前にこなす
●質問を最後まで聞いてから答える
●早口にならずハキハキと端的に話す
●質問で問われたことのみに答える
⇒これが意外と難しい
●笑顔を欠かさない
⇒終始笑ってるのは気持ち悪いので状況に応じて緊張していないことを示す
⇒これが爽やかさにもつながる
まず最低限、これらを満たすことで少し内定が近づく。私はそう思います。
これを読んであなたがどう解釈するか分かりませんが、とはいえ「自分がやりたい企画」を考えることを放棄することは間違っています。
本当にテレビが好きなのであればそんなことは無いと思いますが、例え「新しく、斬新な企画」が思いつかなくても、自分はどんな番組を面白いと思うのか、そしてそれはなぜ面白いと思うのか、それを必死で考えるべきだし、そこから見えてくるのが所詮学生レベルだろうと、あなたの「バラエティ観」です。
そうやって真剣にテレビと向き合い、バラエティと向き合った結果、あなたが辿り着いたテレビに対する思いを端的に、かつ情熱的に(そこまで考えれば図らずとも情熱的になる)面接官に伝えることが出来れば、例え「新しく、斬新な企画」でなくても面接官は◎を付けるかもしれません。
と、私は思います。
っていう個人の意見があることを踏まえて、自分なりに何がダメだったか
反省してみてはどうでしょうか。お役に立てたか分かりませんが、以上です。