ARと街づくり 渋谷サクラステージ訪問録3
渋谷サクラステージのにぎわいSTAGE(都補助18号上空の広場)には、ARを体験できるコーナーがあったのでやってみた。
スマホをQRコードにかざすと特にアプリのダウンロードもなく起動でき、使い勝手よし。スマホを広場からの眺望にかざすと、飛行船?潜水艦?のようなフォルムのオブジェクトが数体浮遊する。そのオブジェクトには桜ステージの施設に係るクイズが表示され、シンキングタイムには映画の広告が流れるというものだった。
最近の再開発や街づくりではARやVRなどのXRを活用した事例が多い。特にその建物やエリアを舞台にコンテンツを提供できるARは、新しい空間体験として街づくりと親和性が高いのかもしれない。
筆者が最近体験した例だと、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの開館と同建物内のTOKYO NODEの開業に合わせて、虎ノ門ヒルズの外壁やアトリウムの内壁が刳り抜かれ、中でダンサーが躍るというパフォーマンスがあった。オープニングイベントを担当したRhizomatiksとELEVENPLAYとのコラボで、ARのサイズ・コンテンツの質・精度と非常に高かったが、私のスマホ(ミドルエンドのAndroid)では起動せずにクラッシュし、友人のiPhoneを借りて体験しないといけなったため、だれもが体験できるという点では△をつけざるを得なかった。
これは再開発の事例ではないが、品川シーズンテラスでARを使ったエリアイベントにも参加した。品川シーズンテラスが主催するイベントにも関わらず、品川駅の東口広場、高浜運河沿い、コクヨ本社の中庭などのシーズンテラスの敷地を範囲を超えたイベント実施という規模の大きさと、1つのARを体験すると100円相当のクーポンを計1500円近く取得できる大盤振る舞いさが印象的であった。肝心のARはアプリを2つインストールしたりdアカウントを登録したりと手間がかかる仕様だったのが残念である。
リアルの街や建物を舞台にでき、かつ、その場所の制約に捉われずにコンテンツを展開できるARはまちづくりとの親和性は高いとはいえ、体験するまでの手間と得られる満足感のバランスをとるのが難しそうな印象である。
満足感の高いARコンテンツを一から作るのは大変なことであり、結果中途半端なクオリティーのものでお茶を濁すのであれば、権利関係は越えなくてはいけない壁としてあるものの、既存のキャラクターをただ投影しただけのARのほうが利用者は多いような気がする。アナログな例だけれど、アクリルスタンドで推しとの旅行風景を撮影するのと同じ文脈である。
暴論ではあるが、ピカチュウとマリオと一緒に写真が撮れて、東京の繁華街を舞台にガンダムやエヴァに乗れるという、エンタメに全振りした観光型のスマートシティが日本の目指す先なのかもしれない。それが、技術力と向こう見ずな冒険心で突き進むアメリカ、オイルマネーで都市を1から作る中東、プライバシーと引き換えに利便性と安全性をする中国などのスマートシティに対する日本のスマートシティの在り方なのかもしれない。
風呂敷広げすぎたので、今日はこの辺で。
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