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『物理学者のすごい日常』を読んで学者のフリする

図書館で借り、2日ほどで読み終えた。
物理学者のすごい日常/橋本幸士/分類420ハ』
どんなすごい日常なのと興味津々だった。


◇理解はやっぱり宇宙?

ほとんど全ての物理システムはカオスらしい。

 ミクロの世界を記述する物理学による量子力学によると、因果律により、一瞬前の宇宙の状態が一瞬後の宇宙の状態を決める。そして全ての確立が保存され、あらゆる痕跡はそのまま情報としてどこかに保たれている。量子力学ではこの原理をユニタリー時間発展と呼ぶ。

本書 父の他界 67~68頁より

「父の精神は、父の脳のニューラルネットワークにあった。そしてその脳は、火葬により失われた。」と筆者の物理学者は葬儀のあと数日、計算をする。解を求めたかったのは心の整理のためなのだろうと思った。
現在の私があるのは、物理学の世界から考え「理した」とする。やっぱり宇宙につながってしまう。事に屈をつけていく。肉体が火葬されると目に見える物質として骨が残る。水分やら微量な成分は目に見えない物質としてやがて地球や宇宙と一体となる。そんな風に亡き人をしのんだりもできる。物理学者じゃなくても、だいたいの人たちが時間を超越した感覚あるんじゃないのかな。「空から見ているよ」、「星になったよ」。
心はカオスだ。
物理の用語解説は本書の中にあったよ。

◇感動があれば科学も記憶にのこる

学者はパフォーマンスや音楽の芸術でも愉しんでいるらしい。

 サイエンスを基礎にフィクションを作り、人を感動させることができる。フィクションは科学と芸術の融和であり、愉しい突飛なアブダクションから始まるのだ。その愉しみが、多くの人々を科学の入り口に導けるかもしれない。

本書 SFと物理 88頁より

現在までに17種類発見されている素粒子があるという。
素粒子というと頭の中に浮かぶスーパーカミオカンデのキラキラ。あの巨大なインパクトのある派手な装置にアートを感じた。人工的につくられたものにだって面白みを感じる。美しく表現された科学は記憶に残る。心地よい音楽や、海や山の景色のように心のどこかにとどまる。

◇物理学の基本的なプロセスって

毎日の料理みたいと思った。

 物理学の基本的なプロセスは、「現象の観測」→「法則の抽出」→「理由の考察と仮説づくり」→「定式化による予言」→「実験による確認」、である。

本書 通勤の物理 131頁より

うちのトマトから考えてみる。
トマトの観察→赤くなったら収穫→なんで赤くなるの?色がおいしそうになったら収穫?→収穫したトマトの大きさは?何人分?切り方は?→調理して実食→あーおいしかった!これでいいかな?
物理学者は日常を計算して愉しんでいるらしい。

◇日常をニヤニヤしてみる

方程式がわからなくても、計算できなくても

ひらめき、何かで何かを連想する。
ひらめき、突飛な発想?それ行動してみる?

「ニヤニヤする。」本のおわりに私もニヤニヤしたよ。
誰にとっても日常はすごいんだと物理学者は伝えている。

ではでは

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