大人の密やかなひとり遊び、音読
伊藤亜紗氏の『どもる体』(医学書院)を読んだのはおよそ1年前だ。
社会で100人に1人いるとか言われる吃音者のひとりであるが、医療的なフォローや自助団体によるサポートをほぼ受けずに進学し成人となり、就職してやってきた私にとって、吃音を心(脳みそ)と身体の不思議と位置付け、論理的でありながら可笑しさが散りばめられた『どもる体』は、吃音の基本知識を得るのみに留まらず、目からウロコの話ばかりで吃音の複雑さに知的好奇心がくすぐられた。ポジティブで刺激的でとにかく素晴らしい内容だった