法律学を勉強して役に立つこと-「ルール」を【事前に】決定するということ

皆さん、こんにちは。10月も下旬、秋が深まってきました(当地は冬になりつつある気がするのですが)。秋は、従来から「○○の秋」と言われて決ました。皆さんは、○○に何を思い浮かべるでしょうか。私は、「食」ですかね。食べ物がおいしい季節です。もっとも、食べ過ぎには要注意です。私自身、そろそろ、自分が何歳かを考えながら食べなければならない年齢になりました・・・。「寄る年波には勝てない」、空しくこの言葉が心の中で響きます。


今回のお話-法律学を勉強して役立つこと

今回は、法律学を勉強して役立つことについて書きます。一般的に、大学で学ぶものは、「文系」と「理系」に区別されます。そして、「理系」に関する事項は大学卒業(ないしは、大学院修了)後にも「役に立つ」とされます。一方、「文系」に関する事項は、大学卒業(ないしは、大学院修了)後、「役に立たない」とされています。私の専攻する法律学は、「文系」に区別される、すなわち、「役に立たない」とされます。法律とは、普段の社会生活の中でも何らかの関わりがあるので、まだ「役に立つ」ものです。もっとも、大学院に進学してまで法律学を研究するのは・・・と考える方もおられるかもしれません(し、むしろ、その方が多いかもしれません)。そこで、今回のnoteでは、法律学(特に、刑事法)を専攻とする大学院生が感じる、法律学を学んで役立つことをお話ししたいと思います。

そもそも、「役に立つ」とは?

そもそも、「役に立つ」とはどのような意味を有するのでしょうか。『精選版 日本国語大辞典』では、このように定義されています。

その役に適している。使用して効果がある。用が足りる。

https://kotobank.jp/word/%E5%BD%B9%E3%81%AB%E7%AB%8B%E3%81%A4-647767#:~:text=%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%BD%B9%E3%81%AB%E9%81%A9%E3%81%97%E3%81%A6,%E7%94%A8%E3%81%8C%E8%B6%B3%E3%82%8A%E3%82%8B%E3%80%82

また、『デジタル大辞泉』による定義は以下となっています。

使って効果がある。有用である。

https://kotobank.jp/word/%E5%BD%B9%E3%81%AB%E7%AB%8B%E3%81%A4-647767#:~:text=%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%BD%B9%E3%81%AB%E9%81%A9%E3%81%97%E3%81%A6,%E7%94%A8%E3%81%8C%E8%B6%B3%E3%82%8A%E3%82%8B%E3%80%82

一般的には、「役に立つ」という言葉は、「使って効果がある」という意味で用いられています。したがって、今回の記事では、一般的な意味、つまり、「使って効果がある」を指すものとします。

「ルール」を【事前に】決めることの重要性がわかる-法律学を勉強して役立つこと

結論

ここで、今回の結論を申し上げます。「ルール」を【事前に】決めることの重要性がわかる-これが、法律学を勉強して「役に立つ」ことのうちの一つと言えます。

「ルール」、つまり、法律は【事前に】決めておかなければなりません。このことは、私の研究分野たる刑事法では、「罪刑法定主義」(犯罪と刑罰は事前に法律で定めなければならない)と呼ばれています。まあ、考えてみれば当たり前なことですよね。法律で定められていない犯罪によって刑罰が科されることこそ怖いものはないですよね。具体例として、
 ・夫Xと妻Aは婚姻関係にあった(つまり、夫婦関係にあった)。
 ・しかし、夫Xは、その元交際相手たるYと不倫していた
ケースを考えます。一般的に、不倫をすることは倫理に反し、「悪い」こととされています。もっとも、不貞行為につき、犯罪は成立しません。なぜならば、不倫した場合の刑罰が法律で定められていないからです(※)。そこで、もし、不貞行為を犯罪化し、不倫関係にあった者を処罰する法律上の規定を定め、同時に、過去5年以内に不倫した者も処罰の対象とすると仮定します。すると、この規定が定められた時から5年以内に不倫した者に刑罰が科されます。つまり、行為時に犯罪でなかったことで処罰を科されることになるのです。これでは、人々は自由に行動できません。自分の、現在では犯罪ではない行為によって、将来処罰されうる、そのことに怯えながら生活することとなるからです。

この具体例によって、「ルール」を【事前】に決めることの重要性が感じられたのではないでしょうか。

(※)不倫自体を処罰する規定は存在しませんが、それに付随して犯罪を為した場合は、処罰されえます。

あるエピソード:バイト先でのお話

ここで、私のバイト先での出来事を紹介します。今年の夏の初め、バイト先(地元チェーンの学習塾)で運動会が開催されました(教室ごとの対抗です)。そこでは様々な競技が行われたのですが、キックベースをしていた際のことです。初戦、私の所属するA教室は、B教室と対戦しました。その際、運動会で初めてキックベースを導入したこともあり、想定外のことが発生しました。そこで、ルールをその場で変えるということが複数回ありました。不都合なことを改善することは大切なことです。もっとも、競技中にルールを変更するのは、安定性に欠けますよね。競技者は、そのルールに基づいてプレイしています。ルールが途中で(複数回)変更されたら、競技者も困惑しますよね。このエピソードから、ルールを事前に決めることがいかに重要か改めて感じました。
(※)決して、このエピソードに怒っているとかではありませんので、ご安心を。

まとめ

今回は、法律学を勉強して役立つことを書いてみました。ルールを事前に決める―(特に、法律の世界では)当たり前のことですが、いざ自分がルールを作る側に立つと難しいか・・・。ただ、本記事を通して、いかにルールを事前に決めておくことの重要性を少しでも感じていただければ幸いです。

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